誰かに向けてるひとりごと

2021年12月

1日目 冬、到来

彼曰く、またこの季節がやってきた。

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冬は寒い季節。

人肌も恋しくなる季節は、自然と温かいものが食べたくなる。

そう、寒い季節には体が熱を欲するのだ。

冬の暑さ、私には想像することしかできない。

芯から自分を熱くしてくれるものを、人はずっと探しているんだ。

彼らをうらやましいと思う気持ちも、人は誰しも持っている。

その人の熱を恋しく思うから。

他人の熱は、自分の中の隠れた熱を誘い出してくれる。

伝染する熱の明るさに、時々戸惑いそうになるくらい。

闇の中にぽおっと浮かび上がる、たった一つの光の玉。

何よりも輝くその玉を、人は何よりも欲しているものだ。

その玉は人によって形が違う。

人の形だったり、形あるものだったり、美しい風景だったり。

冬、目に映る光景が他の季節よりも輝いて見えるのは、きっと熱を感じるからだ。

心を照らす冬の熱は、何よりもあなたを照らしてくれる。

私にとってのその熱は、食べ物の形をしている。

熱を感じる季節がやってきた。

そう、私の季節の感じ方は食べ物。

春はてりたま、夏はロコモコ、秋は月見。

冬と言えば、グラコロである。

我らがファーストフードのトップオブトップ。

マクドナルドのハンバーガーと言えば誰もが一度は食べたことはあるはず。

食べたことがないという人はあまり聞いたことがない。

去年入社した後輩と、大学時代のおぼっちゃまくらいだ。

彼らはいったい何で季節を感じているんだろうか。

そんな疑問も、グラコロを前にしたら意味をなさない。

今、私の目の前には冬がやってきている。

これを胃に収めて、初めて私は今年の冬を感じることができる。

新たなグラコロはボロネーゼの濃厚なアンガスビーフの旨味と、煮込んだトマトの旨味が混じりあったフィリングを纏ったグラタンコロッケが登場。

これは食べないわけにはいかないでしょう！

アンガスビーフやて？なんてこった、食べないわけにはいかんやん！

アンガスビーフが何かなんて知らないんだけど。

詳しく知らないけど、美味しいものだということはわかる。

願わくばマクドナルドじゃないところで食べたかった。

アンガスビーフのフィリングよりも、ハンバーグとかの方が食べたかったなぁ。

日本は価格が安いものが多いから、いろんなものが低価格で食べられる気になるけど、実際はそんなこともないらしい。

本場の肉は、きっともっと高いから。

おいしいものをたくさん食べられる世界になったらうれしいな。

そんな風に思いながら、冬を迎える。

今年のグラコロはいつもよりも温かさが増している気がした。