29日目 ASMR
彼曰く、これは性癖も歪みますわ。
***
初めてASMRをイヤホンで聞きました。
私の趣味の一つに動画鑑賞があるのは周知かと思います。
今では若者、昔気質の人、男女問わず暇があればスマホをいじり、SNSのかっこいい人可愛い人を追っかけ、手持無沙汰を慰めるためだけに目的のない動画を鑑賞している時代です。
ベン図を思い浮かべてください、もう自明ですね。
動画の種類にもいろいろありますが、私がよく鑑賞するのはだいたい決まったものです。
大食い動画、音楽のカバー、ゲーム実況(最近はMHRiseが多いですね)のこの3択。
これはYouTubeに限った話です、アマプラを含めると映画かアニメにまで食指を伸ばします。
コンテンツが好きとはいえすべてを消費することは私の限られたスペックの脳と目では難しいです。
脳が10個くらいあればなぁ、複製人間になりてぇ。
そんな私も気が向けば別のジャンルを見ることもあります。
メイク動画で、ごく普通の人(誰目線なのか)がハリウッドの街中を歩いていても不思議じゃないほどのセレブリティに大変身するのは見てて面白い。
音楽は音楽でも、リラックスミュージック、自然音のまとめは寝る前に効果的です。
まるで森の中に放り込まれたような、都会の喧騒から離れた新鮮さがあります。
ついこの前見たラップバトルの動画も、早口で相手を罵りあい、煽り、口汚く圧倒する爽快感。
自分にはできない舌使いをしているんでしょうね、いったいどうやったらあんなに早くしゃべることができるのか。
この世にはすごい人がいるんだなぁと、罵倒の1ミリも理解できない頭で感心してしまいます。
つまり勢いに呑まれているってわけです。
なんかすごく何もしないクズっぽい感想になってしまいましたが。
そして冒頭の。
ASMRというものが動画の一ジャンルを築いて久しいです。
いつからあるのかは定かではありませんが、大食いだったり、石鹸をカッターで刻むものだったり、陶器か何かをぶち壊すものだったり、耳のそばで甘い言葉をささやくものだったりと様々。
みんな音に飢えすぎでは?
と思いながら、自動再生で回ってきた動画がちょうどASMRだったんですが、なんと耳舐め。
これがもうね、やばい。
なんというかもう、やばい。
実際になめられているわけでもないのに、耳の奥に響くような息遣い。
ねっとりとした唾液の弾ける音、卑猥さたっぷりの堕ちるような喘ぎ、マイクを通して伝わるざらざらとした触感。
耳を通じて脳を直接撫でられているような感覚に、背筋が終始ゾクゾク。
「これ以上は踏み込んではいけない領域かもしれん」と思うのに止められない。
性癖歪んでも仕方ないよ。
溶けちゃうぅぅぅ!って。
音に対する貪欲さがほかの生物と比べられないのが残念ですが、聴覚の無駄遣いじゃないですかね。
と思いつつまた再生しているんですけど、興奮したくて。
なるべく自重するようにします。
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