16日目 『サマーウォーズ』

彼曰く、夏の戦い、僕らの戦い。


 ***


細田守の最新作『竜とそばかすの姫』

ついに本日公開だそうで。


『シンエヴァ』を公開当日、朝イチ一本目の上映回に滑り込んだ私としては、やはり話題の最新アニメ映画を公開当日に見ることには何となく宿命を感じる。

でもそれは私の心に余裕があるときなわけで、残念ながら最近の私にはそこまでの余裕がない。

というか、余裕を作ろうという意識がないのが現実かもしれない。


 あーそろそろやらないとなぁ


そんな独り言ばかりが増えて、実際に行動したことが今までどれだけあったことか。

間違いなく自分の両手の指の数だけじゃ足りないほどある。


この世は人間一人が生きる間にやりたいことをやりきるには短すぎる。

やりたいことは星の数ほどあるのに、すぐにやり始められることの数は限られる。

どんなに頭の作りがうまくできていても、せいぜい10個。

下手な人間は1つのことでいっぱいいっぱい。

人の人生は、人の思考の必要条件を満たしてくれないのです。


「あのとき美大に行っていればもっとアーティスティックな才能が」

「忙しくなる前に告白しておけば、もっと幸せな生活を得られてかもしれない」

「趣味も何もない中ただYouTubeばかり見ているだけだったから、受け身にしかなれないんだろうな」


人生を変えるためには思考の切り替え、ターニングポイントと呼ばれる転換点が必要。

転換点が生まれるタイミングは人それぞれで、自分をいかに客観視して、自己の能力と現実との差異を把握したうえで、自分がどの方向に向かっているかを理解できていることが必要になる。


足りない才能を技術で埋めることはできるのか。

現実で足りていないスキルは何なのか、自分に身に着けられるものなのか。

他人との差は何なのか、質、量、効率性、いずれかなのか、もしくはすべてが足りていないのか。

それらですべて埋めたとして、自分が向かうべき方向は理想と合致しているのか。


いろいろな可能性を考える中で、人間は挫折にさいなまれる。

折れるたびに思うのだ。


 自分には無理だ、できっこない


と。




「あんたならできるよ」


力強く、けれど優しい。

私の成功を心の底から疑っていない、厳然とした言葉。

激励というには安っぽい、啓示にも似た心強さがこの言葉にはある。


誰よりも家族のために生きた人が、家族として受け入れた新たな人に向けた、最期の言葉。


夏、乗り越えなければならない季節が来る。

金曜ロードショーで見逃した分をアマプラで見返した私の目標。

余計な外食、コンビニ利用をしない。


栄おばあちゃん、僕にもできるかな?

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