29日目 弱点
彼曰く、私にとって、自分と他人を比べられることはストレスだ、みんなそうだろうけど。
***
自分の弱点が露呈する。
気分が悪くなる、自分が嫌になる。
隠したい、隠れたい、誰にも見られたくない。
人に知られていいことなんてない、ただの恥さらしだ。
生き恥だ。
弱点は誰にでもある
弱点のない人なんていない
人は誰しも見られたくないことがある
見られて恥ずかしいと思うことはいっぱいある
なのに大勢の前で知られた、見られた。
同僚に、先輩に、後輩に。
誰よりも恥ずかしいからか、話しかけられることもない。
違う、きっとみんな自分に気を使ってくれているんだ
弱みを見せられた時の私は脆すぎるから
話しかけただけで余計につぶれてしまうってことを、みんな知っているんだ
みんな、なんだかんだ言って優しいから
誰も話しかけてこないから、余計に自分のことばかり考える。
ダメだったところ、何もできなかったところ。
次はこうすればいいんじゃないか。
改善点なんて浮かんだところで次に生かせるかなんてわからない。
次の機会が来るかもわからない。
チャンスはみんなに等しく回ってくる。
次がすぐ来るとは限らない。
悪いことばかり考えるな
悪いことを考えるとよくない思考しか浮かばなくなってしまう
もっといいことを考えよう
起きるとうれしいこと、楽しいこと
笑えること、気分がよくなること
あれかな、これかな、あれだといいな、これならどうかな
何かいいことがあれば、私の弱みも強みになるかもしれないのに
私はにはいい運が回ってこないかもしれない。
次いいことが起こる保証はない。
もしかしたら明日死ぬかもしれない。
どうせあいつよりも、あの人よりも、うまく生きれる自信はないんだから。
私はほかの人とは違う
私の弱いところも、強いところも、全部ひっくるめて私なんだから
どうせ人と比べても、私の強みは変わらない
私の弱みも変わらない
他人は他人、私は私
だったら全部そのまま、自信がなくても生きていく。
生きれるうちは生き続ける。
たとえどれだけ弱くても、それが私の、私たち人間の、最後に残る強みだから。
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