22日目 シン・エヴァンゲリオン劇場版:||⑫
彼曰く、行ってきます。
彼女曰く、行ってらっしゃい。
***
絶望の中、シンジが腹を据えます。
「僕が初号機に乗って父さんと戦います」
シンジ君は作中で様々な想いに触れました。
第3村での人々の生活や明日への希望、ヴィレへの感謝。
ヴィレに想いを託して死んでいった人々の祈りと犠牲。
アスカを助ける選択ができたはずなのにそれを選ばなかった後悔。
アスカに殴られるだけのことをした理由をちゃんと伝えます。
その自覚を伝えることで知ったアスカへの思慕、過去の好意。
さらにミサトのつらい決断と変わることのない決意。
シンジ君はもう過去の弱々しい人間ではありません。
自分を変えるため、世界を取り戻すため、それらは全て建前です。
それ以上に父ゲンドウときちんと向き合い、決着をつけるため。
純粋に「なぜこんなことをしたのか」を知ろうとする強さを備えています。
静かに決意を固めるのです。
ヴィレメンバーは猛反対。
家族を失ったミドリは再度の惨事が起きることを危惧します。
トウジの妹サクラも、シンジをヒーローと思っているものの、
サードインパクトで世界と家族を失った原因であるシンジには複雑な気持ちが。
当然ですよね、もしまた失敗したら今度は自分たちが死ぬんでしょうから。
話はこじれて、錯乱したサクラの銃弾がシンジに向かいます。
しかしそれはシンジを傷つけず、彼をかばったミサトの腹に命中。
艦長として、上司として、かつての保護者として、
シンジが初号機に乗る責任は自分が持つと訴えます。
どこまでいってもミサトさんは私たちのお姉さん。
人生の大事な場面はいつもミサトさんに支えてほしい。
そう思わせるカッコよさ、素敵です。
旧劇場版だといじけていただけのシンジを生かすため、
ミサトはシンジに自分の思いを半ば投げやりに伝えて別れます。
漫画版でも同じように、予期しない襲撃から流れに任せるままに別れています。
2人がちゃんと面と向かって別れることは今までなかったのです。
自らの意志を表明して、自らの意志でエヴァに乗る、それを支える。
それまで2人にはできていなかったこと、避けていたこと。
自分の身の安全を保障して、嫌なことから逃げるため。
世界を救うことを子供に託すしかない負い目があるため。
それぞれの心の弱さがきっとそうさせていたのでしょう。
今までと同じように、だけど心に抱える闘志はこれまで以上。
ここを死地と決めるほどの覚悟の目で互いに見つめあいます。
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
ここのシーン、最高に激アツ!
頼もしさとカッコよさと、成長した2人の変わらぬ信頼関係が戻ったようで、
思わず歓声をあげてしまいました。
周りに聞こえないように小さな声で・・・。
マリの8号機に連れられて、ヴンダーの初号機のもとへ。
そこにはなんと消えたと思われていた綾波レイが。
14年前からずっと囚われていた彼女は髪が伸び、すっかり大人な雰囲気。
彼女から初号機を引き継ぎ、いよいよゲンドウの乗る13号機との対決へ。
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