8日目 みかん
彼曰く、ビタミンCは正義。
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みかんが美味しい季節です。
こたつにみかん、お餅にみかん、おやつにみかん。
冬になって、正月を迎える頃、わが家にはみかんの姿が増えますね。
大みそか前までに餅つきを終えてお飾りさんをこしらえるので、
小さいみかんも一緒に買うんですが、それを含めても大量のみかん。
実家にいるころは常に机にあり、
一人暮らしを始めてからもなぜか正月ごろにはみかんを食べています。
実家から送られることもありますが、
自分で買ってしまうこともあるのです。
よくある、気付いたら買ってしまっていたというやつ。
そのたびに余って腐らせてしまうことがないので、実に不思議な縁です。
送られてきたときすでに腐っていることもあるんですが、
その時は他のみかん救出劇が開かれています。
カビが生えているものは捨て、他のみかんは布で磨く。
「腐ったみかんはすぐに広がる」
金髪ロン毛のどこかの先生がそんなことを言っていたらしいですが、
私のみかんへの教訓は母からのもの。
「風邪ひいたらみかん、お腹すいたらみかん、とりあえずみかん、食べときな」
食べれば何でも解決してくれるみかん。
その教えがあるからなのか、それとも単に母が好きだからなのか、
家のかごにいつもみかんが積まれていました。
ときどきお菓子が入るそのかごは、冬ばかりはみかん専用スペースです。
手を伸ばせばそこにみかんがある、こたつから出ずに届く幸せ。
正月特番を見ながらぬくぬくとみかんをほおばる風景は、
まさに日本の正月の正しい過ごし方です。
ほっこりまったり過ごせる日々を想像するとたいていその絵が見えます。
小学校の頃の絵日記で妹がそんなことを描いていました。
老後はそんな生活が来てほしいです。
そう言えばみかんの皮を剥くのは難しいですね。
休憩で食べてるときに同期の子もみかんを持ってきていたんですけど、
その子はめちゃくちゃ剥くのへたくそでした。
剥けども剥けどもすぐちぎれてしまって、
下に敷いていたティッシュに小さなオレンジ色のかけらが積まれていく。
一方で私はきれいにヒトデ型っぽく皮を剥いた後は、
ちまちまと白い繊維を取っていく。
大雑把に取るのでまっさらな房にするわけではないのですが、
食べるときに気にならないくらいには取り去っておきたい。
そのあたりは人それぞれですね。
繊維にこそ栄養がいっぱいあるから、という人もいますし。
私はビタミンCさえ取れればいいので構いません。
「すごっ、なんでそんな綺麗に剥けるの?」
同期の子に褒められました。
まあ毎日食べてましたし、これくらいは。
大学までは頻繁に食べてましたが、社会人になってからは量が減りました。
でもやっぱり美味しいものは美味しいので、気付いたら食べてしまってます。
何しろ美味しいは正義ですから。
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