7日目 ずる賢く生きていく
彼曰く、これは帳尻合わせだから。
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土曜日は基本的に休みたい。
世間的に休日とされているのは土曜と日曜。
休める日に休むのは冷静な人間であれば当たり前です。
冷静でなくても休むべきなのですが、
私も従来型日本式労働精神の持ち主なので休むということを忘れがちです。
そうじゃないとこの仕事はまず務まりません。
だって生命活動の大半を仕事に尽くしているような人間しかいませんから。
世人に言わせるとそういう人は社畜というらしいです。
会社に貢献し、会社のために生きる畜生。
そんな生き方はしたくないなぁ。
子供のころ、そんなことを思いながら将来の夢を書きました。
その夢というのがパン屋さん。
小さい頃の夢と言えば、当時はパン屋さんでした。
食べること大好きな人あるあるですね。
他にも色々やりたいことはありましたが、
何週か回って結局パン屋さんに落ち着くのが常でした。
通学路の途中、2つ道を外した先に地元で人気のパン屋さんがありました。
家に向かう道とは反対方向に行くことになってしまいますが、
道を外れる価値は十分にありました。
何でもやりたい盛りの子供、外道になりたいときもある。
それだけ食べてれば体重が増えてもおかしくないですが、
私は運と体質に恵まれているので全然影響ありません。
世の中のダイエッターたち、すまんな。
幼いころの将来像はどれも夢にあふれていていいですね。
でもよく考えたらパン屋ってお休みがないかもしれない。
勤務時間は自由にやりくりできそうですが、
どのパン屋さんも朝早くに起きて仕込み、
売り始めて夕方くらいに店じまい。
そのあとは片付けと次の日の準備。
道具の洗い物、材料の在庫確認に売上の計上。
余裕ができたときには新しいメニューも考案しないと。
世は”インスタ映え”の時代。
第一印象をつかむ勝負は自己広告から始まっているのです。
現に週に1回だけお休みのお店が多いと思います。
それに料理って意外に体力勝負。
体調管理を万全にしていないといけません。
自分の休みはお店の休み。
他の従業員がいなければパンが売れないどころか、
お店を開けることもできません。
綱渡りの賭けを少しでもいい運にするために、
毎日の生活に気を張っていないといけない。
そんなの息が詰まるなぁ。
せめて週2で休みたい・・・。
週2で休みたい希望を、休みを1日潰しながら考えてる。
自分で自分の希望を押しつぶすのが得意になってしまってますね。
現実感がない希望を抱く感覚を、
私たち大人はどこに置いてきてしまったんでしょうか。
想像ばかりで現実にならないなら、
せめて想像くらいは夢を見ていたいです。
そんな夢をつかむような話、書いてみるのもいいかもね。
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