24日目 イブ
彼曰く、早く寝たい。
***
世間はクリスマスイブ。
去年と同様仕事の私は、一層早く帰りたい欲が強かったです。
イブの夜には何かある。
子供のころから信じていたサンタを信じなくなったのはいつのことか。
夜に水を飲みに起きたときに親がこっそりプレゼントを枕元に置いていました。
そのときは何も考えずに寒さから逃れるように布団に滑り込みましたが、
直球過ぎやしませんかね。
せめてもう少しサンタらしさを出してほしかったですね。
いい意味で単純な両親にはそんなことはできないでしょうけど。
だって私の親だもの・・・。
コスプレできる人って羨ましいよね。
親になったらなんにでもなれるんだから。
アニメや漫画のヒーロー、ヒロイン、ヴィランだけでなくモブキャラも。
二次元に留まらず2.5次元もドラマもおまかせ。
そんな人が1人いるだけで、パーティーの場が盛り上がること間違いなし。
パーティーなんてできるご時世じゃないけれど、
そんな素敵なことをしている人が、この冬空の下にもいるのだろうか。
素敵なことの1つくらい、私にも起きないかな、なんて考えてしまう。
そういうときは大体何も無いのだけど。
私の予測は大体外れる。
いい予想は悪い方向に当たり、悪い予想は現実になる。
なんて間の悪い運勢なのか。
普段のリスク回避癖のしわ寄せがきているのかもしれない。
揺れ戻しはガチャで当たった後だけで十分だというのに。
人生の幸運を引き寄せるためにも、今年のガチャはやめておこうか。
でも今年はお餅をついていないから、その年の運は持ち越せないだろうし。
やはり実家からお餅を送ってもらうしかないか。
家族からお金はせびれなくても、運くらいは分けてもらいたい。
クリスマスだというのに年越しのことを考えている私。
気が早いから運も逃げていくのでは?とそんな疑問も白い息とともに宙を舞う。
仕事帰りの商店街。
人はまばらだけど温かみがある。
人恋しい今日のような日には、知らない人でも自分以外の誰かがいることが大事。
じゃないと自分を見失いそうになる。
もしかしたらその子にいる人が自分の大切な人になるかもしれない。
出会いも別れもいつ起こるか分からないなら、全部運に任せてしまおう。
そんな幸運がまだ残っているなら、変なところで消費はしたくないな~。
ヤンキーとギャルがたむろするシャッターの前を通り過ぎながら、
少し早足で家路についた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます