22日目 箱アイス

彼曰く、これで喜ばない人間はいない!


 ***


今日は前の仕事の後片付けをしました。

前の仕事と言っても4月ごろに納品を済ませていたものです。

なんで今更?と思うのも無理ありません。

私もそうなんですから。


やはり下請け案件は外部のレスポンスを待たないと進まないから面倒です。

元請け案件なら社内の担当者にすぐ聞くことができますから、

その利便性と即応性を考えると、

新陳代謝のすこぶる高いコンテンツ業界はその体力が必要なのでしょう。

やれることを増やして、感度を高く保って仕事に向き合うことが求められています。

もっと面白い、もっとみんなに見てもらえる作品を作れるように、

これからも頑張っていきたいものです。

でもだからこそ、1つ1つの仕事に真剣に取り組みたい。

かの仕事もその気持ちを持って臨みましたが、

終わってしまえば今やただの荷物。

タンスの奥で眠っている、いつ買ったのかも覚えていないセーターのように、

しわくちゃになって出てくるのが関の山。

そんなちょっとトラウマになるようなものが会社の倉庫にあるのです。

ずっと置いているわけにもいきませんし、近いうちクライアントに送るので、

今年のうちに片付けを済ませようという部長命令が下りました。

「そんなの勝手にやってくれよ!」という罵声怒声が飛び交う中、

なんだかんだ言って打ち合わせの予定がない人間でやることになりました。

当時私は途中合流組でしたし、新人に至っては触ってもいない案件なので、

積極的に手伝う必要はないかと思ってましたが、

先輩たちが総出でやっているなか暇をもてあそぶのもなんですし、

運動がてら手伝いました。


すぐにクライアントが取りに来るわけではないらしいので、

とりあえず今日は梱包作業のみ。

それだけでもかなりの労働でした。

時間外労働ならぬ、業務外労働手当が欲しい・・・。

がめついお願いは先輩のアイス奢りで叶いました。

各々好きなアイスをかごに入れましたが、

一緒にハンバーグを食べに行った先輩には箱アイスを買いました。

私が冗談交じりに言ったことだったのに、

先輩が面白がって実行に移したのです。

「さすがに冗談でもヤバくないですか?」

「いや、アイツなら許してくれる!なんなら喜ぶって!」

知らないぞ~とハラハラしながら戻ると、

私の予想を破って「え?え?え?」の三拍子。

飲み込めていないようでしたが、なんだかんだで嬉しがっていました。

先輩、、、ダイエットするって言ってたのにそれでいいんですか。。。


まあ、喜んでくれるなら全然いいんですけど。

ちなみにしばらく会社内に夏服みたいな服装で歩く人たちがいたそうな。

服装ってやっぱり難しいですね。

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