18日目 米

彼曰く、母からの米は活力の糧(物理)。


 ***


母から米が届きました。


一瞬だけ晴れた朝はそのお告げだったのでしょうか。

珍しく早起きできたのも秋晴れのおかげですかね。

寝覚めも悪くなかったのですが、どうせならちゃんと目覚めようと、

軽い運動がてら散歩に少し出ました。

朝の空気は澄んでいていいですね。

都会の空気は長いこと住んでしまうと重苦しいものに変わりがち。

憧れと期待を込めて上京してきたときのような輝きは、

馬車馬のような労働と情け容赦ない怒号を降らせる厚雲で光を失いがちです。

人の意地汚い心や想い、嫉妬や策謀で凝ったような雰囲気は慣れたくないもの。

でもそんな場所も住めば都というのか、

こんな世界、屁でもないやと開き直ることができているのか。

朝露に濡れる街路樹と、太陽を映した水たまりが、

気持ちのいい朝をお出迎えしてくれるだけで、

自分まで気持ちが晴れるような。

清々しい気分になってきます。

朝の散歩なんて、普段の私ではしないような朝活。

意識しないと運動もしないような人間ですから、

今日の私は至極人間的で健康的だと思います。

そんな私をお天道様が見てくれていたのでしょう。

母への想い届けてくれたようです。

「少ないけどこれ食べて元気に暮らしなよ」

「ちゃんと食べてる?最近会えなくて心配だわ」

母の言葉は耳にまでは届きませんが、ちゃんと心に響いてる。

家族がいるっていいですね、とても幸せを感じます。

遠く離れていても、想いは通じるんだと気づきました。

お天道様ありがとうございます。


まあ、ヤマトの通知メールが来てたので知ってましたけど。

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