第187話 企画立案。1

「して、じゃが。いつやるかは決まっているのか。」

「そんなのは決まってませよ。」

 十全の言葉に紅玉帝もチャオも絶句する。

「お2人とも、一から企画を立てるのは初めてですね。」

「ええ。」

「そうじゃな。」

「今回のはすでに開催日が決まっているような祭りの企画ではありません。開催日も会場も1から、いえ0から自分たちで決めなければならないのです。」

 その十全の言葉にあら改めて2人は絶句する。

「なるほどそう言われれば、なるほどです。」

「お膳立てされていたのを自分の功績と思っておっただけじゃったか。」

 深く考え込んだ2人だったが、すぐに壮絶な笑みを浮かべる。

「子ども扱いされっていたのは面白くない。いいじゃろう。この企画、朕たちでやり遂げようではないか。」

「まったく同感です。僕たちの力を見せつけてやりましょう。」

「くくくくくくくくくくくくくくっくっく。」

「はははははははははははははははは、はぁ~ははは。」

 上手く2人に火を付けれた十全だが、予想以上に燃え上がってしまったことに若干冷や汗を流す。

「して、改めて聞くが何時やるかじゃが。」

「こればかりはまず参加者を募り、会場の準備の目途が立つくらいに決めるべきでしょう。」

「それでもいつやるかのめどくらいは立てておくべきかと。」

「そうじゃな。十全。規模はどれくらいを考えておった。」

「せっかくの第1回目ですし、今後他の国でもやってもらいたいところですから長期開催で多くの人に大和に来てもらいたいと考えていました。そのためにウチの領地の開発には旅行者向けの施設を計画していました。」

「そういたしますと、街の開発と同時進行になりますね。」

「自分の領地なら4年ぐらいで形になります。そこからプロモーションを取るなら6年か7年でしょうか。」

「ふむ、十全の領地だけでやるのはつまらんな大和全土を巻き込みたい。」

「と、言いますと。」

「今開発してる領地すべてを会場として提供できるように朕の勅命を出す。」

「足並みはそろいいますか。」

「余裕を見るなら10年後が無難じゃろう。じゃがそれでは足りぬ。平和の礎に文化有と見せつけるためにも5年で開催じゃ。」

「それだと他の国の企画が不十分になるのでわ。」

「朕は添えでいいと思う。そこで負けたと思った国が次の主催国となる。戦争させずに金を使わせるにはこれが一番じゃ。」

「なるほど、良いかと。」

「ならば、2回目の開催地はぼくのウルタール王国でやらせてください。1回目で大和に後れを取り、2回目で挽回するのを見せつければボリア帝国も乗って来るでしょう。

「なるほど。流れを作るには良い案じゃ。」

「そういう訳で、1回目は出し惜しみいたしますが、それに負けない出し物を期待しますよ。」

「言ってくれるじゃないか。」

「くくく。」

「ふふふ。」

「ははは。」

 暁だけがこの中で置いてけぼりだった。

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