第168話 騎士団再編成。3
「それじゃぁまずは騎士団について――――」
「は、はは、は、はい。」
十全はテーブルについて説明を始めようとしたら、向かい側のウルトゥムの横に移動した雫がどもっていた。
「どうしたんだよ。がちがちじゃないか。」
「そ、そ、そ、そんなこと言ったって。」
「雫さん、まずは落ち着いて。」
「そうだ、深呼吸しろ。」
「ひっひっふー、ひっひっふー、ですよ。」
「ひっひっふー、ひっひっふー。って違うでしょコレ。」
「よし、ツッコミを入れられるなら大丈夫だな。」
「そんなわけあるか。」
と言っているが、実際に雫の緊張は落ち着いたのだった。
「それじゃあ、改めて騎士団について話をするぞ。」
「う、うん。」
「まず、騎士団は街の発展に合わせて規模を大きくしていく予定だ。」
「それってどれくらい。」
「今後の街の規模にもよるが、騎士団内部でいくつか組織化していくくらいかな。」
「何それ。」
「いまってさ、街の警備も街の外に出るのも同じ部隊じゃないか。」
「うん、そうだけど。」
「それだとどちらかが手薄になるだろ、だから部隊を分けて組織化する。」
「内側の部隊と外側の部隊に?」
「そう、でその中でも任務をローテーション出来るように組織化していきたい。」
「私がやるのは?」
「その部隊のまとめ役。」
「うう、できるかな。」
「簡単、簡単。――――とは言わないけど、俺がやってる領地経営と同じだ。人に仕事を割り振って組織を監督する。そういう仕事になるんだよ。」
「そういうのが苦手なんだよ。」
「雫って意外と脳筋だな。」
「なんですって。」
「まぁ、まずは騎士団長として二つの部隊の編成から始めてくれ。」
「私一人で。」
「そこで1人でやろうとしたら駄目だ。」
「どういうことよ。」
「俺も最初は1人でやろうとしたけど陛下から人を使えと助言されて、今いろんな分野を組織化してるんだ。」
「陛下からの……」
「まずは自分の補佐になる副官を決めておけ。あと、最初は相談役もいた方がいい。」
「なるほど。」
「ある程度規模が大きくなったら人事部なんかを作って、役職の任命だけするようになったっていい。」
「そうなの。」
「いま俺が雫にやってることがソレだろう。」
「おぉう。言われてみれば。」
「それで、今すぐに騎士団で作っておいてほしい部隊が、治安部隊と探索部隊、それと護衛部隊だ。特に護衛部隊は多めにしてほしい。」
「どうして?」
「街が完成してきたからな。今後人口が増えてくる。そこで首都との行き来の護衛、資材なんかを調達しに行く者たちの護衛と人手が必要になるからな。」
「難しそう。」
「あと組織図は下から考えるんじゃなくて上から考えるほうがいいぞ。」
「どうゆうこと。」
「ピラミッドってあるだろ、アレの頂点を雫として、治安、探索、護衛、の3部隊のトップを決める。その下にまた部隊をと
配置して下を増やしていくんだ。」
「ほうほう。」
「で、ある程度上の人員は雫が決めて、その下は決めたヤツに任せる。こういうやり方で行くんだ。」
「おお~。それならできそう。」
「だろ。がんばってくれよ。あ、あとそれから、騎士団の名前も決めといてくれ。」
「―――――――――――――――――え?」
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