どーでもいい知識 ゲンゴロウの泡は水中の酸素を吸収する
呼吸が必要なのは、水中で暮らす昆虫も一緒だ。
定期的に空気を吸わないと、人間と同じように溺死してしまう。
同じく水の中に住む魚のように、陸上では生きられないと思っている人は少なくない。
しかし実際は、一生水中で暮らす昆虫のほうが少数派だ。
繁殖期である五月から八月には、陸上を飛び回ることも多い。
結構な田舎に行けば、夜、明るい自販機に
有名なゲンゴロウも、サナギの間は陸上で暮らしている。
やはり明るい光に引かれ、地上のライトに飛来することも多い。
実を言うと、川や池で生きる昆虫は、ずっと水中で暮らしていたわけではない。
進化の過程で陸に上がった後、水中に戻って来た生き物たちだ。
出自を考えるなら、陸で生きられるのも当然と言える。
同じ水中の昆虫でも、呼吸の仕方はそれぞれ違う。
ゲンゴロウは息つぎを行うために、度々水面まで浮上する。
彼等は
尻に気泡を付けた姿は、テレビで取り上げられることも多い。
ゲンゴロウは背中にある
この泡は呼吸によって発生した二酸化炭素を、水中に排出する機能も持つ。
それどころか、二酸化炭素と引き換えに、水中の酸素を取り込む性質まで有している。
二酸化炭素を排出し、酸素を吸う――。
つまり、ゲンゴロウは泡を使い、水の中で呼吸している。
このため、泡の酸素が五分しかもたない量でも、五分以上潜っていることが可能だ。
通常、息つぎの間隔は数分程度だが、その気になれば数十分潜っていることが出来る。
一方、タガメやタイコウチは、尻に空気を吸うための
カマキリそっくりのミズカマキリも、このタイプだ。
彼等は水面から
忍者が水中で使う竹筒や、シュノーケルと言えば、想像しやすいかも知れない。
ちなみにタガメは、空気を吸う
またトンボの幼虫であるヤゴや、カゲロウの幼虫は、エラによって呼吸を行う。
そのため、一切息つぎをする必要がない。
「え? 昆虫にエラがあるの?」と、聞き返す人は多い。
しかし、そもそも昆虫の
ただ地球史上、初めて空を飛んだ生きものは、ほぼ間違いなく昆虫だ。
始めて
「
植物が大繁栄した時代で、爬虫類が出現したことでも有名だ。
ちなみにこの時代の地層からは、台所に出る黒いヤツの化石も発見されている。
当時の昆虫は現代より巨大で、黒いヤツも一〇㌢以上あったらしい。
最初に飛んだのは、カゲロウやトンボの仲間だと言われている。
現在も幼虫時代を水中で過ごし、エラで呼吸を行う昆虫たちだ。
昆虫は地球上で最も種類が多い生き物で、現在までに約一〇〇万種発見されている。
しかもまだまだ未発見の昆虫がいるようで、毎年三〇〇〇以上の新種が報告されている。
当然、見た目や生態は千差万別だが、
シラミやノミのような例外も、はるか昔は
「もうそろそろ息をさせないと、窒息死させちゃうか」
ハエに巻き付けた糸を緩めながら、天井の繭に接近していく。
注意深く覗き込んでも、動く気配はない。
予想外に苦戦してしまったが、無事捕獲に成功したようだ。
「スズリンバエ、ゲットだぜ!」
こみ上げる感動に従い、右腕を突き上げる。
体育館中におたけびが轟くと、モニターのクモさんが嬉しそうに跳び上がった。
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