第203話「出産ラッシュ」

 シレジエ王国後宮は、まさに出産ラッシュだった。

 シャロン、ライル先生、リアと次々に出産。カロリーンも、里帰りしているトランシュバニア公国で無事に出産を終えた。


 案ずるより産むが易しとは良く言ったもので、出産自体は心配したほどでもなかった。

 なぜなら、お産の専門家オーソリティーであるオラクルと、回復魔法をどれだけでも使えるリアがいるので、もしものときの備えも万全であった。


 例えば、帝王切開をしてもすぐに傷を塞いだりできるわけである。

 みんな安産で結果としてはその必要はなかったのだが、それはオラクルがちゃんと定期健診してくれていたからだと思う。


 例えば、シャロンの出産のとき。

 ちゃんとお産を見守ると言っても、初めてお産に付き添った俺にできるのは手を握ってやることと、産まれてからシャロンを褒めてやることぐらいだった。


「双子か……」

「男の子と女の子、二卵性双生児じゃな。多産系の獣人の血が入っていると、一気に二人三人と産むのはよくあることじゃ」


 産婆として取り上げたオラクルが、双子を抱いている。シャロンが産んだのは、犬耳の生えた子供だった。

 それを見て、シャロンは不安そうな顔をした。


「やっぱり、獣人の私の血が濃く出てしまったんですね」

「可愛いじゃないか、よくやった」


 シャロンと同じ犬耳と、小さい尻尾の生えた赤ん坊は本当に可愛らしかった。

 俺がそういって触り心地のよいオレンジの髪を撫でてやると、シャロンはそうですねと嬉しそうな顔をした。


 奴隷少女達にいろいろと候補を上げてもらって、シャロンと同じオレンジの髪色と、俺の黒い瞳を受け継いだ女の子のほうを、ロランジュ。

 俺の黒い髪と、琥珀色の眼を持った男の子のほうをノアと名付けた。


 ライル先生の出産ときは、ちょっと変わったことが起きた。

 もともと魔術師の出産ということもあり、先生は身体の事情もあって難産が予想された。


 お産のときも、先生は凄く苦しそうに息を荒らげて額に汗を浮かべ、俺も心配でたまらなかったのだが。

 突如として、まるで自らの意思でするっと産道を通って来たかのように、赤ん坊が産まれてきた。


 そして、母親譲りの茶色い髪をした男の子は、その場で回復魔法を使って母親を癒してみせたのだ。


「アー、アー」


 創聖女神の名前の前半分を呼ぶだけの詠唱は、きちんと天に届いて回復魔法を構成した。

 ライル先生の出産によるダメージが癒えていく。


 詠唱がいい加減でも、アーサマは空気を読んでお願いを聞いてくれることもある、というのを発見したのはリアだったのだが。

 そのリア式のテキトーな魔法詠唱を、この赤ん坊はライル先生のお腹の中で聞いていて真似したのだ。


 産まれてきたばかりの赤子が、習ってもいない回復呪文を使う前代未聞の事態。

 全員、唖然である。


 あとで、魔法力を計測したところ。

 ライル先生の子供は、生まれながらにして上級魔術師ランクの魔法力を有している天才児であるということが分かった。


 そうなると現金なもので、祖父のニコラ宰相は上級魔術師としても高い力を持った孫に、自らコイルという名前を付けて、ラエルティオス家の家名を継がすと言い始めた。

 因縁がある父親とは、どうしても折り合いが付かないと思っていたライル先生が、予想外にもこれを受けた。


 こうして、あれほど険悪だった父娘の間柄が、あっという間に解消してしまったのである。

 俺にはそれがよく分からないのだが、ライル先生に事情を聞いてもっとよく分からなくなった。


「半端者で失敗作だった私からコイルが、家名を継げるほどの魔法力をもった男の子が生まれてきた。この子が父が人生の全てをかけてやってきたことを覆してくれた。これ以上の復讐はありません」

「復讐、ですか?」


 およそ、出産という慶事からは似つかわしくない恐ろしい言葉を。

 やや疲れた顔で、それでいて艶やかな微笑みで口にされると、圧倒される。


「ええ、そうですね。それが、私の息子ではなく、娘としての復讐になった訳で。我ながらおかしいですね。父と同じように、私だって自分の中の女を捨てたはずでしたが……。捨てたものは、追いかけてくるのですよ」

「追いかけてくる、ですか?」


「ええ、捨てられたものは、追いかけてきて復讐するんです。捨てられた私は、父に最大限の復讐をするつもりでした。絶対に許せないと思った。だから、兄も見殺しにしてラエルティオス家を断絶させた」

「先生……」


「全てを失い、哀れに年老いて消えていく父の背中を最後まで嘲笑ってやるつもりでした。しかし、まさかこんな結果になるとは……フフッ、私の産んだ子の圧倒的な魔法力を見て、地べたに額をこすりつけて謝罪した父の姿は、心が癒される思いでした。それぐらいのことで、気が晴れるとは私も思っていなかったですが」

「まあでも、コイルを産んで良かったと思ってもらえるなら、それでもいいかもしれませんね」


 俺にはニコラ宰相が考えていることも、ライル先生が思っていることもよく分からない。

 だが、子供が無事に産まれて、それを喜んでくれているのなら。


 それが父と娘の確執の解消になったのなら、俺はもう何も言うことはない。

 それにしても、産まれた途端にオギャーとも泣かず、親に回復呪文をかけるような赤子が、どうして産まれてきたのか。


 ライル先生は、ラエルティオス家に伝わる禁呪魔法、因子操作を受けた上で辛うじて中級魔術師であった。

 俺にかんしては、魔法力ゼロである。


 その子供が天才的な上級魔術師として生まれる。そこはもう、アーサマの思し召しと思うしかない。

 あるいは、俺とライル先生の血が遠すぎたので、衰えていく一方だったラエルティオス家の魔法力が先祖返りしたのか。


 理由はどうあれ、子はかすがいという。

 コイルが産まれたおかげで、ニコラ宰相とライル先生が仲良くなったのだ。それで良いではないか。


 ちなみに、リアのお産のときは、スポンと音を立てるようにして産まれた。

 あっけないほどの安産だったのだが、その後が大変だった。


 産まれた女の子に「アナール」って名前を付けようと言い出したのだ。

 アナールなんて狙いすぎの名前を付けられたら、俺の娘がグレてしまう。


「リア、お前……分かって言ってるだろう!」

「あら、シレジエ王国では聖アナールといえば、有名な歴史上の聖女の名前でもあります。これなら、ステリアーナのアもタケルのルも付いてますし、是非もないですね」


 是非もあるよ!

 そりゃ、シレジエでは普通の名前かもしれないけど。


 日本語で見ると体裁が悪すぎるだろう。本当にいるのかよ聖アナール。

 リアは、俺が反対すると分かって言ってるんだから始末に負えない。相変わらず、ふざけ倒してくる。


「じゃあ、間を取ってルアーナだ。これなら、タケルのルもステリアーナのアもついてるだろ」

「なるほど、聖ルアーナの名前を持って来ましたか」


 えっ、即興で言ったんだが、ルアーナって聖女もいたの?

 リアの言うことは、どこまで本当でどこまでが冗談か分からん。


「子供の将来がかかってるから、ここは譲れないぞ」

「タケルがそこまで言うなら、是非もありませんわね。ルアーナでも、『アナ』が入ってるから、まあいいでしょう」


 やっぱり『そっちの意味』で言ってるんじゃねえか!

 まったくと苦笑させられる。リアは母親になっても、こんな調子だから敵わないな。


 しかし、リアの子は、どんな娘に成長するものだろうか。

 とりあえず、母親の影響を極力排除する方策を考えておかなければならない。


 カロリーンのお産のときは、予定日より少し遅い出産であった上に、トランシュバニア公国のほうに里帰りしていたので大変だった。

 陣痛が始まってから、もう産まれる、もう産まれると俺達も何度も転移魔法で行き来して、三日目にようやく産まれたときは心底ホッとした。


 周りが心配してあたふたしているさなかも、カロリーンはベッドで公国の政務を口頭で続けていたのは、流石の貫禄であった。

 カロリーンは、大きなお腹になってたのに産まれてくるのが遅かったのは、四千グラムを超える大きな赤ん坊だったからだ。


 カロリーンと同じ亜麻色の髪を持った赤ん坊は、祖父のヴァルラム公王の威厳を受け継いだ立派な男の子だった。

 トランシュバニア公室の伝統に従って、マウリッツの名を与えられたカロリーンと俺の子は、母ゆずりで真面目で頼もしい公子になりそうな予感がする。


 そうしてシルエットも、少し予定日より遅いのが心配だが、もうすぐ出産であるという。

 俺は賑やかになった、子供部屋を覗いたあと、シルエットのお産のために建て増しした部屋に行くわけであるが。


 俺も赤ん坊が増えてから衛生に特に気を使うようになった。特にお産の部屋は、一種の病室だ。

 旅の埃を落としてからきっちりと石鹸で手足を洗って消毒する。


 いくら回復魔法があるからといっても、衛生上の配慮はしっかりしたほうがいい。


「おかえりなさい、タケル様……」

「うん、今日はお土産にカカオを持ってきたぞ。カカオの実は、ヨーグルトみたいな食感だからシルエットにも食べられるだろう。すぐに割って食べさせてやるぞ」


 市場でも試食したが、黄色い実が熟しているカカオだ。

 割ってみると中がドロっと白いゼリー状になっていて、味は酸味があってヨーグルトにはない甘みもある。


 ガラスの器に果実だけを取り分けて、スプーンでシルエットに食べさせてやる。


「本当、甘くて美味しいですね」

「だろう、実の部分は新鮮じゃないと食べられないから、シルエットの口にあって良かった」


 ちなみに、チョコレートやココアの材料になるのは、白い果実の中にあるカカオ豆だ。

 カカオ豆の粉は薬にもなるという考え方もあるのだが、味がビター過ぎていまのシルエットには食べさせないほうがいい。


 俺は、シルエットの大きなお腹をさすりながら声をかけた。


「もうすぐ出産だな。元気な子を産んでくれよ」

「はい、こういうときに一緒に居てくださって心強いです」


 もともと、ハーフエルフであるシルエットは身体が小さいほうなので、大丈夫なのかと心配になるのだが。

 これでもオラクルによると経過は順調で、出産は目前らしい。専門家オーソリティーの言葉を信じるしか無い。


     ※※※


 子供部屋に戻ると、一番年長のオラケルが絵本を並べて遊んでいる。

 他の子は小さいのでベビーベッドの中だが、年長のオラケルだけはすでにベッドから出ている事が多い。


「オラケルは、難しい本を読んでるんだな」

「はい国父様、オラケル様は聡明ですので、もう魔族の魔法を覚え始めています!」


 教育係として付きっきりになっているカアラが、まだしゃべられないオラケルの代わりに答えた。


「ダー」

「オラケルは、本当に分かってるのかな?」


 教育係であるカアラが、オラケルに与えている本を見ると、「絵本で読む初歩の魔術・魔法」、「絵本で読む魔族の歴史」、「絵本で読む魔族語」、「絵本で読む戦術論」「絵本で読む君主論」「絵本で読む政治経済」「絵本で読む高等魔術の教理と祭儀」……エトセトラ。


 これ難しすぎる、俺が読んでも難しいぞ。

 なんでも絵本で読ませれば分かるというものではない。


 この点、カアラは魔族でありながら二十歳前には人間の最上級魔術まで習得しているという掛け値なしの天才チートだったので、それに教えられるオラケルは大変だ。

 カアラはオラケルを魔族の王として育てたいので、期待がかかっているんだろうな。


 しかし、年長といってもオラケルはまだゼロ歳児だ。

 そのオラケルが、掴まり立ちしているのを見たときは驚いたものだが、魔族の魔法で身体を浮かせているだけと聞いて安堵した。


 しかし、よく考えるとゼロ歳児が魔法で浮いてるって、そっちのほうが凄い。

 初級でも習得が難しい人間の魔術と違い、魔族の魔術は割りと単純で感覚的に使えるものらしい。


 それにしたって、オラケルは掛け値なしに天才チートとはいえる。誰に似たんだろう。

 あんまり凄すぎるので、母親のオラクルに実はオラケルは転生勇者じゃないかなとこっそり相談したら笑われてしまった。


「オラケルは、エンシェント・サキュバスのワシと異世界人であるタケルの間の子だからのう」

「それって、やっぱ凄くなるってことなのか?」


「そりゃ、分からんのじゃ」

「分からんって……」


「生殖の専門家たるワシにだって、分からんことぐらいある。純粋なエンシェント・サキュバスと人間が混血したケースというのは、少なくともここ八千年ぐらいの間には例がない」

「それは、初めてのケースってことか」


 コクンと、お産を終えてからまたロリババア体型になってしまったオラケルが可愛らしく頷く。

 エンシェント・サキュバスであるオラクルは、普段はせいぜいが十三歳程度の子供体型で、子供を産むときだけ大人の身体になるという魔族としても規格外の謎種族である。


 そりゃ、その子供もどう育つか分からない。


「初めてのことじゃからの。ただ、ワシはたかだか三百年しか生きていない不死王オラクル様の爪の先から創られた模造品クローンに過ぎないんじゃが、そのワシから産まれたオラケルが、なぜか不思議な事に不死王オラクル様と同等の力を受け継いでおるようじゃ」

「それって、どういうこと?」


「カアラが、魔族の王に教育しようと張り切っとるだけのことはある、ということなのじゃ。よく考えると、ワシが微かに記憶しておる不死王オラクル様に、オラケルの纏っている魔素はよく似ているからのう……」

「えええっー」


 不死王オラクル。

 オラクル大洞穴の本当の主。軽く半万年は生きていたと伝えられる、魔族の王のなかの王である。


 不死王の末裔としての力を受け継いだオラケルの前途は、結構大変だなあと俺は我が息子の灰色の生髪うぶがみを撫でた。

 生きていくために強さはあったほうが良いのだが、強すぎる力を持つのも何かと大変なのだ。


 カアラの期待には答えてやらなきゃならないと俺は思ってるんだが、息子には俺のような苦労はさせたくない。

 そんなことを思いながら、オラケルを抱いて一緒に絵本を読んで寛いでいると。


 真面目な顔をしたオラクルが、子供部屋にやってきた。

 どこに行っていたのだろうと声をかけると、大変なことを言い始めた。


「タケル。シルエットが破水した。もうすぐにお産じゃ」

「えっ、大丈夫なのか! 破水って陣痛があってからじゃないのかよ!」


 こんなにすぐとは思ってなかった俺は、慌てて立ち上がって、とりあえず何をしたらいいのか右往左往する。

 どうしたらいいんだ!


「陣痛と破水は、逆になる場合もあるのじゃ。お産はいろいろなんじゃから、うろたえるなと何度言ったら分かる?」

「そう言われても……」


 お産のたびに俺はあたふたするので、オラクルに子供のように「落ち着け!」とたしなめられてしまう。

 それでも落ち着けない俺を見て、オラクルは呆れたように笑い出した。


「ハハハッ。もう慌てるのは、タケルの仕事ということにしておくのじゃ。タケルがそれだけあたふたしていれば、当人はかえって落ち着くじゃろう」

「キャッキャ」


 俺の慌てる様が滑稽だったのか、座って絵本を読んでいたオラケルにまで笑われてしまった。

 でもこれ、落ち着けないよなあ。


「さてと、ではオラクルさん。是非もなく行きますか」

「そうじゃな、回復魔法も必要になるかもしれん。アーサマのとこの聖女も頼む」


 リアはパンパンと手で服の裾を払って、落ち着いた足取りで、さっさと手足を消毒して清潔な服に着替え始めた。

 俺も慌てて手足を消毒するが、みんなすごく落ち着いてる。本当にこういうときは女って強いよなと思う。


 俺はオラクルのように産婆ができるわけでも。

 リアのように、回復魔法が使えるわけでもない。


 ただ、産室で苦しそうにしているシルエットのそばについて、額の汗を拭いてやることぐらいしかできない。

 ともかくこうして、お産が始まった。


 俺はお産に立ち会う経験は初めてでないのに。

 これが初めての出産であるシルエットのほうが、俺よりよっぽど落ち着いている。


「シルエット頑張れ、俺がついてるからな!」

「ふうっ、タケル様居てくださって、ありがとうございます……」


 こんなときにお礼など、俺が礼を言いたいぐらいだ。

 シルエットの苦しげな顔を見ていると心が痛む。


 何も出来ないと時間の経つのがより遅く感じるが、シルエットはもっと辛いのだと思えばどうということもない。

 ただ、シルエットのそばで見守ってやることしかできない。俺に出来るのは、アーサマに祈ることだけだ。


「タケル、そろそろじゃぞ」

「頑張れ、シルエット……」


 やはり、シルエットの小さな身体ではお産にも負担が大きかったのかもしれない。

 それでも、自然分娩で産まれてきてくれたのには感謝だ。


 やがて、産室に「おぎゃー」と響き渡る赤ん坊の鳴き声。

 朝焼けに空が白けるまでかかって産まれた赤ん坊は、元気な女の子だった。


 シルエットが産んだ子供も、エルフのクォーターであるので金髪と少し長い耳を受け継いでいた。

 シレジエ王国の王位は、暗黙裡の伝統として人族男子が継ぐこととなっていたが、ハーフエルフの女子であるシルエットが、第十八代女王となったことによって変わった。


 シルエットの御代となった後は、男女種族の別なく建国王レンスの血を引く長子が王国を継ぐことになっている。

 つまり順当に行けば、この子こそがシレジエ王国の王太女となる。


「よくやったシルエット」

「はい……」


 シルエットは大仕事をやり遂げて、目を瞑って寝てしまった。

 俺はと言うと、長いお産の終わりにいつもある、不思議な感動に酔いしれてとても休めるものではない。


「タケル、抱いてみるか」

「うん」


 産湯に浸かって綺麗になった赤子をオラクルから渡されて、抱き上げてみる。

 金髪の柔らかい生髪が、キラキラと輝いている。美貌を誇るエルフの血が入っていると、産まれたときですらこんなに綺麗なのか。


「女の子じゃから、タケルにあんまり似とらんで良かったの」

「オラクル酷いな……まあ、俺に似なくて良かったけど」


「肌の色には少しペールオレンジが混ざっておるの。あと目元だけは、タケルによく似とるのじゃ」


 俺は、目だけはたまに褒められるので。

 両親のいいとこだけ受け継いで産まれてきたのならば、良かったというものだ。


「まるで光の子だ。リュミエールという名前はどうだろう。女の子に付けてもいい名前かな?」


 俺がそう言うと、まだ瞳も開かない赤ん坊が、薄目を開けて笑ったような気がした。

 影絵シルエットから産まれた、リュミエールの子。


 うん、いいかもしれない。

 シルエットが起きたら、この子の名前をそう名付けていいか聞いてみよう。


 親の欲目も入っているかもしれないが、この子はすごい美人になるように思う。

 抱いていると愛おしくてたまらない小さな赤ん坊が、この国の新しい光となってくれるように俺は祈った。

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