第81話「世界と情勢」

 ※本編を楽しむのに必要ない情報ですので、余録としてお暇があれば読んでください。


――トランシュバニア公国


 首都ブルセール


 忘れられた魔素溜り『魔界の門』がある。

 小国だが、メガネやガラス玉などのガラス製品が特産で、国民生活はわりと豊か。

 シレジエ王家とは親戚筋に当たり、継承問題のもつれで長い間国境紛争を繰り返していた。

 騎士団が壊滅的打撃を受けて、外交力は低下。現在は、ゲルマニア帝国の準属国となっている。


――シレジエ王国


 北部 旧ロレーン辺境伯領


 魔素の瘴穴、ゲイルのクーデター後の再編で三分割。


 上半分 ロレーン伯領 ロレーンの街(復興がほとんど進んでない) トランシュバニア公国と国境を接する。


 下の右四分の一 ロレーン騎士団領(ほとんど荒野) ゲルマニア帝国と国境を接する。


 下の左四分の一 オラクル子爵領 スパイクの街(オラクル大洞穴) 他地域


 西部 アンバザック男爵領


 主人公の領土 オックスの街(要塞化されており、森に囲まれて石切り場もある。木材・木工・石材ギルドがある)


 エスト侯爵領


 ダナバーン侯爵の領土 北のイエ山脈に多数の金銀・魔宝石・銅・鉄の鉱山、鍛冶屋ギルド。西の友好国ローランドと北の王都を繋ぐ、交易の中継地点、牧畜業・農業・エスト山羊の毛織物を中心とした織物産業も盛んである。

 田舎ではあるが、シレジエ王国の交易の中心地といえる。


 中央部 王都シレジエ


 首都で政治の中心、平原の街で農業が盛んだが、魔素溜り『魔の山』の解放で北側の村が消滅して難民が流れ込み、その後クーデターの破壊によって半壊。

 城壁の再建は進んでいるが、いまだに王城は工事中、再建ついでに大砲を城壁に並べている。


 南部 イエ山脈の向こう側は、王権の強化を望まない地方貴族の領地が多い。


――ゲルマニア帝国


 西側、三大領邦王国 ラストア王国 トラニア王国 ガルトラント王国


 魔族や蛮族と国境を面しており、民族自律の気風が強い。

 西方の三王国は、ゲルマニア帝国に二十年前~三十年前の戦争に大敗して、相次いで服属を余儀なくされた。その後何度か、旧王族・氏族による反乱があったが、鎮圧されている。


 東側 ランクト公国を中心とする諸侯連合


 ツルベ川周辺の舟運の財を背景に、経済力が強い。帝国とは意図を異なる動きを見せることがある。

 帝国は、自治権を持つ小さな領邦がまとまった国家なため、帝国内部の領邦が独自の意向を持つことも多い。


――ブリタニアン同君連合


 一人の君主を中心に、二つの島がまとまった連合国家。

 北の海洋国家で、外海にまで乗り出そうと圧力をかけてくるゲルマニア帝国の伸張に脅威を感じており、現状ではシレジエ王国を海から支援している。


――ローランド王国


 大陸中央部の王国、ゲルマニア帝国に三十年前の戦争で、領土の東側をもぎ取られている。

 シレジエ王国と協調路線を取って、仇敵関係のゲルマニア帝国に抗する事が多い。


――


 オラクル大洞穴の設定注釈について。


 41話で、「二百四十年間の長きに渡り」完全制覇されて居ないのが、44話の「三百年前から」と年代が合わないとのご指摘がありました。


 オラクル大洞穴の完成と開店(オラクルちゃん誕生)は、三百年前です。

 41話で言われているのは、不死王オラクルが魔王と共に魔の山で英雄レンスに討伐されたあとも、そのままダンジョンだけは勇者となったレンスに攻略されず、放置されて残ったという意味です。


(※ その点書き方がとても分かりにくい状態だったので、修正しておきました)


 大洞穴と共に誕生してから六十年の段階で、生みの親を勇者に殺されたオラクルちゃんは、その後、二百四十年前の間、攻略されず地中で放置されておりました。それを指して「二百四十年前の孤独」と言っております。

 その点、わかりにくい話になってしまったので、補足させていただきます。


 さらに余談ですが、不死王オラクル本体は、勇者レンスに殺された段階で千歳でした。つまり、いま生きてるとしたら千二百四十歳となります。


 千二百年前となると、ちょうど超大国、神聖リリエラ女王国が出来た頃です。それから二百年後に、ユーラ大陸の人類の文明は一度滅びかけますので。

 その頃、二百四十歳ぐらいだった不死王オラクルが力を付けてきて古の魔王と共に、シレジエ地方を支配するようになったというのが推定されます。

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