第55話「100人の人質」

亮君と板野元警視総監を逮捕して一ヶ月が経って板野元警視総監は有罪で十七年の懲役と執行猶予二年が決まった亮君は有罪で予想通死刑判決が決まり刑が決まった一日後に刑が執行された、亮君が居なくなって三日後私宛に亮君からの手紙が届いた。






「主、樹でございます」「入って」「失礼します」「どうしたの?樹君」「亮様からお手紙が来ております」「亮君から?」「はい」「……」「お読むのがお辛いなら燃やして処分致します」「辛いっていうかただ申し訳なくて、私がいなければ亮君は罪を犯さずに済んだのかなと考えてしまう」「主、申し訳ございません、」







「どうして樹君が謝るの?」「主が悲しまれておられるのに何も出来ず誠に申し訳ございません」「樹君が謝ることじゃないでしょ?樹君は何も悪くないしでも嬉しい、そう言ってくれてありがとう」「主……」





「悪いけど一時間ぐらい誰も入れないで」「はい主」私は一樹君が出ていった後に私は封筒から手紙を取り出す私は亮君の手紙を読み始める





〈光へ、光、光には辛い思いばかりさせたな、すまなかったまだ十四歳なのに両親をいっぺんに亡くしてかなり悲しい思いをして生きてきたのだろう?〉私の目からは溢れるぐらいの涙が出る




〈それなのに光は泣き言一つ言わずに周を養う為に芸能界に入ってアクション女優として大活躍して光になって周と一緒に暮らす為の選択だったかもしれないからが俺にとって芸能界で頑張り続ける光がすごく輝いていた、正直に言うと俺はずっと光の側に居れると思っていた〉




涙が出来すぎで息がしづらくなる私は読むのをやめて私は目を閉じ息を整える落ち着いてから





〈俺は百人の命を奪った殺人者光を守るとはいえ百人を殺すなんて決して許されないだろうきっと天にも許してもらえない、こんなこと思うのもおかしいけどそれでも俺は光のこれから続く数年の未来を守れたなら例え天に許されなくてもいいと思った〉




「亮君何でそこまでして私を守るの?私は散々亮君に酷いことしてきたのに、私のせいで亮君は百人の命を奪って大罪となった、私がいなければ亮君は市民を命懸けで守る警察官のままでいれたのに……亮君を罪人にしたのは私なのにそれなのに私は何も知らずに……」




私は亮君にしてきたことを頭で思い出す、心の中で〈私は両親が死んだあの日からずっと亮君を恨んでいた、それは当然だと思っていた、あの日両親を助けずに亮君が生き残る為だけに権力を得たのだとずっと思っていたでも違った、亮君はむしろ被害者だったんだまだ世間知らずな私を守る為に被害者から加害者になったんだ〉






私は続きを読む〈光、俺のせいで辛い思いさせたなできることなら光には何も知られずに死刑になるたかったんだがやはり無理だった、光が警察官になった日からこの結末になることが決まっていたかもしれない今思い返せばそう思う〉






「亮君ごめんね……」〈泣くな光、俺は嬉しいんだ、隼人さんと姉さんは守れなかったけど光だけでも守ることができて、殺人者の俺に言われたくないかもしれないがありがとう、光と過ごした思いではとてもキラキラしていた、最後にずっと言えなかった言葉を言おう、光、愛してる〉






読み終わる、「亮君、本当分かんないよ、亮君何で私なんかの為に罪を犯したの?私の為に一度きりの人生を投げ捨てたっていうの?何で……何でよ!亮君!!」





〈私は声を出して泣いた亮君が何故私なんかを守る為に罪を犯したのか?亮君は何をどんなことを思いながら百人を殺したんだろう?いくら考えても答えは見つからなかった〉私は次の日からいつも通り仕事をする第二NAS課に出勤する






私は入り「おはようございます」「光ちゃんおはよう」「おはよう光」「「「おはようございます光さん」」」翼君、佐藤さん、橋部さん、黒島さん、原田さんが私に挨拶をして心配そうに見つめる






「そんな心配そな目で見ないでくださいよ、翼君まで悲しそうな顔して亮君のことはそれはもちろん悲しかったですけどでもまだ私にはやらなきゃいけないことがあるので悲しんでる場合じゃありませんよ」「光ちゃん……」「「……」」「私なら大丈夫ですから仕事しましょう」







しばらくして佐藤さんが「皆集まって」「「はい」」全員が佐藤さんの周りに集まり「皆の知ってると思うけどこのNSS課は見守警視監が責任者だったその見守警視監がいらしゃらない今新しい責任者の方が決まりまし新しく警視監になられた奥村智さんです」






佐藤さんは奥村さんを紹介する私の所に来て「君も色々大変だな体は平気なのか?」「はい、ご心配なく体がどれだけ弱くても安藤糸と必ず決着を着けます」「そうか、それが終われば確か君は辞職すると言ったな」「はい」「その約束は守るように」「はい」





「早速事件だ、今回の事件は立てこもり事件だルシェリエホテルで立てこもり事件が発生している犯人は能力者だどうやら植物を操るらしいホテルの中にはホテルの従業員とホテルの宿客が合計百人、人質に取られてる君達はすぐに現場に急行せよ」「「はい」」





私達は現場に向かった現場には大勢の警察官とSATがいて「えっ何これ?私達だけじゃないんですか?」私は佐藤さんが言うと「奥森警視監、合同捜査だということ伝え忘れてるね完全に」「佐藤さんは知らなかったんですか?」と私が聞くと「初耳だね、でも私達だけよりも多少人数が多いい方が人でが足りていいんじゃない?」





「私はそうは思いません、合同捜査ほど面倒なことはありません」「どうしてそう思うの?」「合同捜査の相手はSATはともかく、捜査一課ですよ捜査一課長の清水さんが確か話の通じない堅物で警察庁で有名じゃないですか?学生の時に何度か会いましたけど関わるだけで面倒ですよ」「「あっ」」私以外が私の後ろを見て声を出す





「何ですか?後ろに誰か……」私が振り向くと捜査一課長のし清水さんが立っていて「合同捜査が嫌なのはこっちもだ、お前のような無茶ばかりする奴と一緒に捜査するとなるとこっちの身まで危なくなる」私は「そう思うならこの件から手を引けばいいのではないですか?私は一課長に構わずどんどん考えれないほどの無謀なことをしていきます」







「お前何も変わってないな、上官だというのに生意気に歯向かって来るところ」「一課長こそお変わりありませんね、私達は全く親しくないのにみよじで呼ばず「お前」と呼ぶほど私は貴方と親しくなった覚えは全くありませんが?」「足引っ張るなよ、」「ご心配なく私がこの事件に解決してみせます」





捜査一課長は歩いていく「ちょっと光ちゃん駄目だよ捜査一課長にあんな態度取ったら罰則受けたらどうするの?」「その時はその時です捜査しましょう」と言うとスマホがなった「「!?」」「もしかしてまた挑戦状ですか?」橋部さんが言うと私は確認すると







「どうやら今回の立てこもり犯人は今回の挑戦者みたいですね」翼君が「マジか面倒だなその挑戦者が立てこもり犯って」「行きましょう」私が言うと私達は本部に行くとSATの人が話しかけてくる「見守光さんですね?」「はい、そうですが」





「私は新塚と申します」「自己紹介ありがとうございます、今現場はどんな状況ですか?」「はい現在人質は100人は無事ですが能力者のようで植物のツルのようなもので人質百人が吊るされています、犯人の身元が割れて被疑者の名前は野原瞳(二十五歳)もうご存じかと思われますがサバイバルゲームのプレーヤーに参加したそうです」








「はい知ってます、それで犯人の要望は?」新塚さんは「はい、要望は犯人の母親である野原奈緒美さん(四十八歳)の失踪のした真相を明日の正午までに明らかにすることだそうです」「野原奈緒美?」佐藤さんが口にする「佐藤さんもしかしてこの失踪事件を知ってるんですか?」





「うん一時期ニュースですごい話題になってたから確か事件が起きたのは八年前、奈緒美さんはシングルマザーで事務仕事をしながら一人で瞳さんを育ってたの」黒川さんが「八年前ってまだ十七歳じゃないですか」







「うんまだ瞳さんは高校生だった、そんなある日突然奈緒美さんは瞳さんの前から姿を消した、瞳さんは必死に奈緒美さんを探し続けた警察署にも何度も足を運んで母を探してほしいと頼みんだでも警察は証拠不十分で捜査は難しいと言われ何度も断られたそうだよ」






「「……」」佐藤さんは言葉が出ない私達に話続ける「瞳さんはユーチューブに動画を投稿し奈緒美さんの手がかりを探し続けただけど奈緒美さんを見つけるような手がかりは何一つ見つからなかった」





翼君は「……母親が見つからず無事かどうか確認もできないからこそ、真相を探るため罪を犯しサバイバルゲームに参加してプレーヤーになったって訳か」原田さんは




「俺達は何の為にいるんでしょうね、何の為犯人を捜査して逮捕するんですかね、瞳さんのような人を救うべきなのに証拠が見つからないと言い訳して捜査を放棄するなんて絶対におかしいですそんなの!警察官のすることじゃない、」「「……」」





私達は原田さんが怒りに震えているのを初めて見た私はその言葉を聞いて共感した、翼君が原田さんの右肩に手を置き「お前の言葉は理解できる俺もそう思った、だけど今は落ち着つけ、捜索出来る時間は限られてる、野原瞳を止める為にもまずは八年前の失踪事件を調べるぞ」





原田さんは翼君を見て返事をする「……はい」私達がは瞳さんの住んでる家に行ったそして台所、食器棚、テーブルに手を当てて記憶を読み取るテーブルに手を当ててしばらく見ていると知らない男が入って来て奈緒美さんに愛の告白をする、






でも奈緒美さんはその告白を断り逆上した犯人が奈緒美さんの首を手に持っていたロープで首を絞める「!?奈緒美さん!」「「!?」」「光ちゃんどうしたの?大丈夫?」と佐藤さんが心配そうに聞いてくる







私は「大丈夫です、ですが奈緒美さんは八年前首を絞められ殺されております、失踪したとなるとどこの森に死体を遺棄した可能性があります、今からその場所を探ります、付いてきてください」私は、そう言って犯人の男が奈緒美さんを車に乗せて運んだことを知り私はその車の行き先を壁に触りながら記憶を見て探っていくそして森についた





「この森です、この森に奈緒美さんが遺棄されてます」「光、その場所は分かるか?」と翼君が私に言うと私は、「うん、木の記憶を読み取れば分かると思う」そう言って私は奈緒美さんが遺棄された場所を見つけた、全員でスコップを使って掘り進めると白骨化した遺体と凶器と思われるロープが見つかった





「……佐藤さん、私は今からリライフします、そして瞳さんを止めます」「「……」」そう言って私は首を切ったそして一日前に戻り事件が起きる前にNAS班の責任者の奥森警視監に許可をもらい八年前の奈緒美さん失踪事件を調べた、そして同じように奈緒美さんの死体とロープを見つけ出して私は記憶で見た犯人の男の顔を似顔捜査官に詳しく伝えて似顔を書いてもらった








男の身元は向井友和〈ムカイトモカズ〉、NSS班全員で捜し出してロープに付着した皮膚のDNAと指紋が一致した為に逮捕、野原瞳による立てこもり事件を未然に防ぐことができた、そしてNSS班に遺体を引き取りに来た野原瞳は、私達が見つけた奈緒美さんのスマホを渡し中に野原瞳宛にムービーが撮られていることを私は教えた







そしてそのムービーを観る〈瞳、十七歳の誕生日おめでとう、ここまで来るのにあっというまだった、私はシングルマーザーだけど、これからも瞳と一緒に頑張って行くから、変わらず親子二人三脚で暮らしていこう、瞳、愛してる、心から愛してる〉とムービーは終わり「お母さん……私も愛してるよ」野原瞳は涙を流していた






野原瞳が帰ろうとすると原田さんがが「瞳さん」足を止めて振り返ると「私に何か?」と聞いた時「八年前のあの時、高校生だった貴女に都合で捜査をまともにせずに貴女のお母さんが事件に巻き込まれているのにしっかり捜査をしなかったことを同じ警察官としてお詫び致します、誠に申し訳ございません」そう言って深く頭を瞳さんに下げた





野原瞳は微笑んで「ありがとうございます、母を無念にも失い傷ついた心の傷は生涯消えることはないと思いますが、それでも、今の言葉で少しだけ心が軽くなった気がします、」そう言うと原田さんは顔を上げて瞳さんを微笑んでいる瞳さんの姿に少しだけほっとした様子を見せる





今回の失踪無事解決出来た、解決と同時に世間にこのことが知られて当時きちんと捜査をしなかった警察庁本部と捜査一課は激しい批判を受けたがNNS課によって事件は解決されてそのおかげがどうかは分からないが世間からの批判は一ヶ月程度で収まった











































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