第49話「繋がった世界、5」

リライフした私は王様が遊山に出かける二日目前に戻った「よし戻ったすぐに王様が遊山に行かれる時に泊まる宿を見つけ出さないと、外に誰かいない?」戸の外から「主、ウンゴムでございます、どうなされましたか?」「ウンゴム、入って」「はい、失礼致します」






戸が開きウンゴムが姿を見せる「ウンゴム、すぐにメルを呼んでくれ」「はい、主、」ウンゴムは、メルを呼びに私の部屋を出ていきしばらくして「主、ウンゴムでございます、メル様をお連れしました」「通して」私が言うと戸が開き眠そうな顔をしたメル害する私の目の前に現れる






部屋に入ってきて「もう〜こんな朝早くから何の用?私は昨夜遅くまで仕事をしてたから疲れてるんだけど」「それは十分理解してるつもりでもどうしてもメルに聞きたいことがある」「聞きたいこと?」「うん、それに答えてくれたら、気が済むまで寝ててもらっていいから」








またメルが眠そうな顔で「で?聞きたいことって何?」「王様がどこかに出かけるって情報は大殿の女官達から来てない」「あぁー、それなら一日前に大殿の一人の女官が王様が二日後に遊山に出かけるって情報が来てるけどそれがどうしたの?」「でもさすがにその遊山する場所は分からないよね〜」





「私の情報力甘く見ないでよね、王様は、遊山に出かける場所は都からの離れてある1つの村で王様が自らの財産で買った土地でもある場所で確かその村の名は等和村〈トウオムラ〉って言ってたかな?王様がその村の土地を買った時に村の名をつけたとか」「等和村か〜とても良い名だね」王様らしい名だと思いながら微笑むと





メルが「聞きたいことが以上なら私は部屋に戻って寝る」「うん、ありがとう」メルはまた眠そうな顔で部屋を出ていく「ウンゴムはいる?」戸の外から「はい、おります」と返事をする「入って」「はい、失礼致します」と部屋に入ってきた「ウンゴム、今から等和村に行く」「はい?こんな朝早くからですか?」








「そうだよ、だから任務についていない、キ、家の、鷹組をできるだけ集めて、あと、等和に行くための必要な地図も用意して」「はい、クオン様」ウンゴムが出たあと寝間着から色のついた衣に着替えて、更には本邸を三日ほど空けるから三日の着替えも持って潜入捜査組鷹組一万にと私の護衛十万を引き連れて馬車に乗って行く、






半日かけて等和村についた私は王様が買い取られた王様のがおつくりになられた別邸の遠くも、近くもない宿を買い取り私達がいる数日は誰も近づけないように店主と話をつけた私が一つの部屋にいると部屋の外の戸のから「主、ウンゴムでございます」「入って」私が言うとウンゴムが「失礼致します」入って来る「ウンゴム、私が、指示したことはどうなってる」







「はい、ご心配なく、鷹組が主のご指示通りの方角で黒い月のアジトを探させております」「そう、ならいい、できることなら明日までに黒い月のアジド見つけそして黒い月の一員を捕えたい」「明日何かあるのですか?」






「明日この村に王様が遊山をしにお見えになる、故にできるだけ早くアジトを見つけ潜入捜査組に黒い月の一員の名簿を見つけてほしいの」「ですが何故あの王の為に主がそこまでなさるのですか?」







私は微笑み「私も初めはあの王を守るつもりなどなかった、あの王は赤の他人で感情移入は決してしない、私はただあのクァン様の命を奪った黒い月の組織を撲滅したいただそれだけだった、でもあの方は何年経っても変わらなかった、あの方と出会った頃と全く変わってなかった、」私は、イ、クァンの頃の記憶を思い出しながらイ、テヤンについて話す







「私は王族なんて誰もが自分が一番で、何をしても許されると思っていて貧しい民を平気で踏みつけにしてもなんとも思わない冷酷な人達ばかりだと思ってた」「……」「でもあの方は違うの、あの方はクァン様と出会って頃と同じで、クァン様が理想とした国を実現しようと今奮闘してる、そしてあの方は今でもクァン様を一途に想い続けてる、」







「どうしてそんなことが分かるのですか?」「同じ顔してた、王様がクァン様のお話をされる時と、クァン様とまだ恋人同士だった頃と全く同じ顔してたの、そしたら何故不思議と感情移入し始めて気づいたら助けたいって思っていた、それにクァン様があの方を命懸けでお守りする理由が分かる気がするから」





「……主はもしかしてあの王をお慕いなされているのですか?」「えっ何故そう思うの?」ウンゴムは「はい?あっ私今失礼なことにお聞きしましたか?」「えっまさか自分で今何を言ったのか、分からないの?」不思議そうに私に聞くウンゴム「えっ私は何か主に失礼なことを?」「えっまさかの無自覚」






「はい?無自覚とは?」「ウンゴム、意外と抜けてるところがあるんだね、何か予想外の一面が見れて驚いた」「……何ですか?それ」私が微笑むと何故かウンゴムは少し悲しそうに微笑むウンゴム、私はそんなウンゴムを見て不思議に思いながらも「話が以上なら出ていいって、私今から絵を描くから、一人の方が集中出来るの」







「はい、すぐ出ていきます」といい後ろに三歩下がるウンゴムに私は「何か分かったら報告してね」と私はと足を止めて「はい、主」と返事をしてそのまま下がった、そして馬の刻正刻に「主、ウンゴムでございます」「入って」「失礼致します」「どう?アジトは見つかった?」





「はい、主のご指示の方角を探したところを黒い月のアジトが見つかりました」「今日中に見つかって良かった、アジトを探してくれていた私兵の皆は宿に戻って来てる?」「はい、主、全員戻って来ております、」「それならアジトを見つけてくれた皆に、食事を取らせて」「はい、主、」






「あとそれからアジトに潜入して罪を摘発するための証拠の名簿がいる、潜入捜査と言えばやっぱりヤスでしょう、ヤスは私の知る限りでは潜入捜査でミスをしたことがない凄腕の捜査員だ、ウンゴム、ヤスに準備ができ次第アジトに潜入捜査をして明日の朝の辰の刻初刻〈七時〉までに名簿を見つけて私の元に持ち帰るようにと伝えて」「はい主」







「指示は以上、」「はい、」ウンゴムが後ろに三歩下がり部屋を出ていく「私は絵を描こう」そして私はずっとヤスが無事に帰って来ることを祈りながら辰の刻初刻まで絵を描き続けた、「あっ辰の刻の初刻だ、ヤスはまだ帰って来ないのかな」そう不安になってると戸の外から「クオン様、ヤスでございます」





「あっヤスの声だ、入って」私が言うと「失礼致します」ヤスが、姿を現した私は立ち上がり嬉しくて「ヤス!」と叫びヤスに駆け寄る「クオン様、もしかして私を案じておられたのですか?遅番の護衛達に聞きましたが眠らずに私の帰りをずっと待っていたとか?」





「心配して悪い?、ヤスが十分優秀だってことが理解してる、だけど相手はあの冷酷で知られてる黒い月の一員だよ、怪我なく戻って来て良かった、それで名簿の方は見つかった?」ヤスは微笑み衣の懐に隠していた名簿を見せる「ご心配なく私の仕事は常に完璧です」私は微笑み名簿を受け取る







「さすがはヤス、あっでも一つまだ問題が残ってる、この名簿に乗ってる黒い月の一員達をどう捕まえるか、このままではヤスの正体がいずれバレて、名簿が盗まれたことが連中に気づかれてしまう、そうなれば逃げる隙を与えてしまうことになる」「クオン様、それならご心配なく」微笑むヤスの顔を見て「まさか、既に五万人の黒い月を全員捕えたの?」







「はい、先程申し上げたはずです、私の仕事は常に完璧ですと」「やっぱりヤスの頼りになるね、」「恐れ入ります」「私、しばらく眠るからヤスも休んで」「はい、クオン様」ヤスはそう言い三歩下がって部屋を出ていった、「さてと私も寝るか」私は寝間着姿で寝台に乗り布団に入り眠るしばらく時が過ぎて誰か呼ばれてるような気がして「ン……、……オンクオン!!起きて!」






大きな声で呼ばれて飛び起きる私「!?何?何事?えっメル?」メルが呆れた顔で「何事?じゃない、私に何もいわず勝手にこの村に来て、しかも黒い月の一員を捕えるとは、」「えっ何でメルがそのこと知ってるの?」「何でって黒い月の名簿が机のど真ん中に置いてあるのに気づかないほうがおかしいでしょ!」と机を指しながら声を張り上げるメルに







「何で怒ってるの?、しかも勝手じゃないしメルの部屋に置き手紙置いて置いたじゃん、それに遅くまで仕事していて疲れたってすごい眠そうだったから、ゆっくり休ませてあげたい、と思って私なりに気遣ったつもりなのに何故そんなにムキになってるの?」






メルは「何でってクオンが一人で勝手なことするからでしょう、前にも言ったけど、クオンが無茶な真似して、巻き込まれるのは嫌なの、いつもいつも問題ばかり起こして、この問題児が!」






「だから迷惑かけたなら謝るけど、その問題児扱いするのやめてよ」「十分迷惑です、クオンが問題起こした後の後始末は全て私がやってるんだから、この名簿も私が上手く王様に渡す、それより体は大丈夫なの?一昨日と昨晩の薬は飲んだ?」と私の脈を測りながら聞いてくる






私は微笑み「メルにもらった薬持ってきたから大丈夫だよ、もしかしてメルがそんなにムキになってるのは、私が問題がばかり起こすからじゃなくて私の体が心配だから、そんなにムキになってるんじゃない?」「!?」図星だったのか少しは顔を赤くしてそっぽを向いたあと「あっまさかの図星?メルって分かりやすいよね?」「うるさい、クオン!」






そう言って飛びかかって来るメルと私は部屋の中で追いかけごっこをする「アハハ、メル捕まえれるものなら捕まえてみなよ」「待ってクオン、そんなに走ったら発作が起こす、だからお願い止まって」「大丈夫だよこれくらい!?」私は軽い発作を起こしてその場に倒れる「クオン!」「ハァハァ」メルが急いで駆けつけて針を打ち発作を止める








メルは私の上半身を起こして「クオン、大丈夫?息できる?」「うん、大丈夫、軽い発作だから」「だから言ったのにその体で走ったら発作を起こすって」「だね、私もそれは嫌ってほど自覚してるよ、でもね、どんなに体が弱くても、心は常に私は他の人と変わらない健康な人間だと思いたいと思う時がある、私は発作が、起きるたびに自分の無力さを感じて自分が持病を持ってることから目を背けたくなる」






「クオン……」「でもね、持病になったことは、決して悪いことばかりじゃない、メルが私を心配していつも支えようとしてくれる、それは決して悪い気はしない、だからメルは自分を責めないで、私の持病を治さないのはメルのせいじゃない、メルは医者として決して無力じゃない、例えこの先私の持病が治せなくても、メルは立派な医者だよ」「クオン……」








涙を流すメルの頬に流れた涙を指で優しく拭く私は「だからメル、メルのその優れた技術と知識で病で苦しむ人達を助けてあげて」私の言葉を聞いてメルは頷き私達は抱きしめ合う、黒い月は義禁府に連行されて極刑となった、王様は予定とは一日遅らせ遊山に遊びに等和村にいらしゃった、特に何事もなく三日間遊山でのんびり過ごされ私はそれを影から見守りそして、王宮に帰られた、







キ、家に帰って十日後が過ぎて息抜きで都には出かけようとした時キ、家にケインが来て「クオン様」「ケイン、久しぶり、元気してた?」「クオン様、今までどこへ行かれていたのですか?」「あぁー、十日ほど都を離れて遊山に出かけてた」「遊山ですか?何で私に黙って行かれるのですか?」






ケインは泣き出す「ちょっとケイン泣かないでよ、ほらおいで」と言ってケインを抱き締める私ケインも子供のように私に抱きつく「よしよし十日前は毎日のようにキ、家に遊びに来ていたのに十日離れただけでこれか、そんなに私が好きか?」




「もちろんです、クオン様は私の命の恩人なのですから」「だからって泣くことないでしょ」「私はクオン様に毎日お会いにならないと気が済まないのです」「分かった、毎日キ家に来ていいし、今度本邸を離れる時はケインに必ず伝えるからもう泣かないでよ」と私が言うとケインは泣き顔から嬉しそうな顔に変わり






「それは誠ですか?」「うん、本当だよ」私が言うとケインは、「必ずですよ、約束ちゃんと守ってくださいね」と嬉しそうに言ったあと私にまた抱きつく、私は心の中で、〈ケイン、子犬みたいだな〉と思いながらもケインを抱き締める、周りにいる私の護衛達は私とケインを不思議そうに見つめる、







そして私とケインは都から少し離れた市場を一緒に見物することにケインは、助けてもらったお礼として、私に靴を買ってくれた、しかも三十両もする靴を、私はいらないと断ったけどケインは、泣き出してしまって結局受け取ることになった







未の刻正刻になって、昼頃だったのでケインの幼なじみの両親が営む酒場に行き食事をすることになり私を見たケインの幼なじみの男の子とその両親は驚いた様子だった私はそんなに三人に「クオン様、ここが私の幼なじみの両親が営む酒場です、それで私の幼なじみお父さんで店主のハ、エグトさんと奥さんのスランさんです」「はじめましてキ、クオンです」私は三人に挨拶する







でも三人は驚いた顔でずっと私を見るだけだった「あの、もしかしてまだ開店前でした?」エグトさんが「いえ、どうぞ、お席にお座りください」「ありがとうございます」そう言って私とケイン席に着くと男の子が「ケイン、キ、クオン様とどうゆう関係だ?」








ケインは、私を見てから「どうゆう関係って私にとってクオン様は命の恩人で、私が苦しんでいた時に助けてもらったの、やりたくない女官を辞めれたのもクオン様のお陰なの」私は「ケイン、もしかしてその子はケインのお友達?」「はい、幼なじみのハ、ウォクです、」







ウォクは「はじめまして、ウォクです、キ、クオン様のことは噂で聞いてました、六年前の革命のことも存じてます、元に奴婢を連れてこの都を離れて誰もいない島で暮らしていると聞いておりました、身分の低い民達にとってキ、クオン様は英雄です」




私は「そんなやめてよ英雄だなんて、私はただ自分の信念に従っただけだよ、だって奴婢の身分だからと家畜呼ばありするのはおかしいでしょ?私も元に奴婢の身分だから尚更奴婢の身分だった人達を放っておけなかった」ケインは「えっクオン様が元奴婢?噂では耳にしておりましたが誠に元奴婢だったのですか?」






ケインが私に驚きながら聞くと私は「うん、でもそれはもう十四年も前の話だよ」スランさんが来て「ウォク、ケイン、話はそれぐらいにして、そんなに二人が食いついたらクオン様はいつまで経っても食事をすることが出来ないでしょう」ケインとウォクは「それもそうだね、」「すいません、夢中になっちゃって」







私は微笑み「大丈夫、さあ何を食べようかな、私酒場に来るの初めてなので、スランさんのオススメをください」スランさんは「私のオススメですか?」私に問い私は「はい」と答える「では私のオススメをお持ちします」「はい」といい一刻後スランさんが「おまたせいたしました、肉チヂミと汁飯です、」







ケインは、「私は何回も食べたことあるんですがとても美味しいですよ」「本当に?じゃあ食べよう、頂きます」私は肉チヂミを食べる「ん~美味しい」スランさんは、「お口に合って何よりです」私は汁飯も食べる「ん〜この汁飯も美味しい」私が食事をする姿を見て嬉しそうに四人は微笑む








私は「ケインも食べなよ」「はい」ケインも食事をするしばらくして店の店内に三十人のゴロツキが現れて「そなた、キ、クオンか?」と私に尋ねて来る「だったら何?」「驚きだな、そなたのような名のしれたこの国の民の英雄が護衛もつけず一人でのんきに汁飯食べてるとは」「別に私がどう過ごそうがそなたらには何も関係はないはず、今は私は食事してるの、邪魔しないでくれる?」








ゴロツキの男は「少しは名が知れてるからと調子に乗りそんな偉そうな口を叩くのだな」「そなたら一体何しに来たの?食事しに来たの?それとも私に喧嘩を売りに来たの?」「そんなの決まってる、そなたを捕えに来た、早く捕えよ」「「はい!」」刀を抜く二十九人「「!?」」







ケインが「クオン様お逃げください」私は「その必要はないよ、私が捕まることは決してない、そもそも私は一人じゃないし」ゴロツキの一人は「やってしまえ」二十九人が私に向かってくるすると私の目の前店の周りにいた一万の私の護衛達が二十九人の行く手を阻んだ






百万人は護衛兵は私のと三人の前に立ち残りの護衛兵はゴロツキ達の周りに立っていた「「!?」」ゴロツキの一人が「何だキ、クオン、そなた、一人じゃなかったのか?」と言うとアドの声が聞こえてきて「直ちに立ち去れ、でなければそなたらは無事では済まない」とゴロツキ達に言い放つ








姿が見えなかったが私を捕らえろと言ったゴロツキの一人は「退散するぞ」と言って全員その場を立ち去るアドは私に近づいてきて「クオン様」「アド、ありがとう、助かったよ」「いえ、クオン様がご無事で何よりです」「皆もありがとう」アド以外の護衛兵が「「はい、」」「皆、もう大丈夫たがら下がって」「「はい」」







そう言って一斉に一万人の私の護衛兵達が下がる三人が私を不思議そうに見る「スランさん、そんなに見つめないでください、ケインとウォクも」三十人が我に変えるような顔をしてからウォクが「にしても凄いですね、」「凄いって何が?」私がウォクに聞くと「護衛の数です、」と答える私は「あぁー確かに、でもあれはいつもより少ない方だよ」








ケインが「あれで少ない方なんですか?」「うん、今日は、一万人だけど、多いい時は十万人連れ歩く時があるから」「「!?十万人!?」」「えっそんなに驚くこと?」スランさんが「それは驚きます、普通は護衛なんて連れてあるかないですから」









「まぁ確かに言われてみればそうですね、私の場合は護衛兵を連れて歩くのが習慣づいてるのです、私はいつもの都を巻き込んだ一波乱を起こすので、その度に闇の組織、たちの悪いゴロツキ達に何度も拉致されそうになるのです」私がウォクのお母さんに言スランさん「国中に名の知れてる人は大変ですね、」








「最初は、何故毎回こうなるのだと思っておりましたが五年も続くと慣れるのです、四年ぶりです、都に来て、ゴロツキに絡まれたのは」すると男性客が「スランさん汁飯と肉チヂミと酒を頼む」と注文する、「はい、分かりました、私は席を外します、ごゆっくりどうぞ」「はい、」私が返事をするとスランさんは厨房に行く






ケインを見るとケインが泣きながら「クオン様、お気をつけください、絶対にゴロツキ達に捕まってはなりません、」「ケイン、また泣いてる、何でケインが、泣くの?」私はケインの頭を撫でながらケインに聞くと









ケインは「クオン様は、ゴロツキ達に決して捕まってはなりません、捕まってしまったらきっとどこかに売り飛ばされてしまいます」「うん、捕まったらそうなるだろうね」私が言うとケインは更に「うえーん!クオン様それはなりません」「「「!?」」」私も私の護衛兵の皆も周りのお客さんもスランさんもウォクもケインが突然大泣きするから驚く






ウォクは「おい、ケイン泣くな、みっともない他のお客さんにも迷惑だしお前が大泣きしてもクオン様が困惑されるだけだ」「うるさいウォク、ウォクの意見なんてどうでもいい、私はクオン様が心配なの、」ウォクは少し不機嫌そうに「何だとケイン、俺の意見はどうでもいいだと?、泣き虫のお前にそんなこと言われたくない」「うるさい、この筋肉馬鹿!」「何だと!この泣き虫!」









二人は口喧嘩を始める私はどうしたらいいのか分からず黙って見てることしか出来ない、でも他のお客さんの注文をとっていたスランさんはそんな私を気遣って「二人共、クオン様の前で口喧嘩なんてしないでよ」スランさんが、私を見て言うと二人も私を見て「「申し訳ございません」」謝る二人に私は「二人共喧嘩しないで仲良くね」と言う二人は「「はい」」と返事をするとエグトさんが








「おい、ウォク、喋ってないで手伝え」「分かったすぐ行く、ではクオン様ごゆっくり」私に一礼して厨房の方に行く泣き止んだケインが周りにいるお客さんを見て「にしても、今日のお客さんはいつもより多いいです」「いつもはもっと少ないの?」「はい」ケインが答えると






私が「お客さんが多いいと言うことはいいことだよそれよりケイン、どうしてウォクのこと筋肉馬鹿なんて言ったの?」「あぁーあれですか?ウォクは科挙を受けて正刀府の武官になるのが目標らしいです、毎日自分なりに体を鍛えてるのですが、正刀府武官に、なる為に必要な刀と法を勉強するための書物を買う代金もないとか」






私は「店の手伝いをしてるのはそれらの代金を自分で稼ぐ為?」「はい、エグトさんとスランさんには自分のことで負担をかけたくないんだとか、」「ねぇケイン、このお店は頼めば家まで来て注文した料理を作ってくれるんだよね」「はい、そうですがそれがどうかしましたか?」







「ケイン、ウォクを呼んできてくれない?、一刻でいい、話がしたいとウォクとエグトさんに伝えてほしい」「はい、分かりました」しばらくしてウォクが厨房から出てくる「あのお話とは?」「ケインから聞いたけど武科に受けて正刀府の武官になりたいとか、それはどうして?」






「はい、それは大切な人を自分の手で守りたいからです、俺には無力です、財産、権力もありません、賤民という理由で権力者に散々俺も俺の大切な人も踏みつけにされてきました、クォン様のお陰で貧しい民達を守る為の法がつくられましたがそれでもこの世には冷酷で貧しい民達の自由を奪う権力者達は多くおります、」






私はウォクに「仮に正刀府の武官になれたとしよう、そなたはそなた、そなたの大切な人を平然と踏みつけにする両班達が現れてもそなたはその両班達をその手で殺さず捕まえることはできる?」「はい、できます、確かにそんな両班達を目の前にしたら殺意は抱くでしょう、ですが俺にはその両班達を自分の手で殺すことが正しいとは思いません」











「そう、そなたの思いは分かった、だけど今のそなたには正刀府の管理者としてそなたを正刀府の武官には決してしない」「「!?」」ケインは、私に「何故です?」私はウォクに「ウォク、そなた武官になる意味を本当分かっているの?」「はい、正刀府の武官は、命がけで罪なき民を守るのが務めです、危険な仕事だということも理解しております」






「確かにそなたの言葉も一理ある、が私が言ってるのはそんなことではない、それよりもっと大切なことがある、そなたは武官になることの難しさを理解しているようだが、武官になった後の過酷さを理解してない、故に私は今のそなたを正刀府の武官にには決してしない」






「それはつまり、俺に今足りない物を見つけないと例え受けたとしてもクオン様は俺を不合格にするということですか?」「そうゆうこと、でもどうしても正刀府に受けたいと言うのなら、受けてみる?」「受けてもいいのですか?」ウォクは私に問う






私は「うん、いいよ、ただし機会は一度だけ、今回不合格になればウォクは今後合格になることはない、それでもいいと言うなら今日の戌の刻の初刻、正刀府に来て、試験を行うから来て」「……分かりました伺います」ウォクが言うと私は頷き「話は以上、仕事に戻って」「はい」ウォクは厨房に戻った








ケインはなんとも言えない複雑なような顔をしていてそんなケインに私は「ケイン、ウォクが心配なの?、だったらケインも見に来れば試験の様子」「クオン様、お伺いしてもよろしいですか?」ケインは、不安そうな顔で「いいよ」「何故ウォクにあんなことおしゃったのです?」「それは試験を見れば私の考えが少しは分かると思う、そこで、ケインに頼みがある」






不安そうな顔のままで「私にですか?」と問う「うん、この頼み事はケインにしか頼めないことだから、私の考えが知りたいなら協力してほしい」「それは構いませんが、まさかウォクに危険な試験を受けさせるおつもりでは?」私は微笑み「それも試験を見れば分かると思う、でも安心して二人が命を落とすことはない、それは私が保証する」











それからしばらくして試験を行うから二刻前にウォクは両親と一緒には正刀府に来た「ウォク、覚悟は決まった?」ウォクは私に頷き「はい、決まりました」「なら試験を始める、今から試験の内容を説明する、試験の内容はただ一つは正刀府の長官であるキ、ハソンと一対一で武芸の腕を競い勝つこと、」それを聞いた周りの武官達含めウォク達驚きを隠せない








「ハソンが身につけてる一刻以内に小皿を割ることができればウォクの勝ち、割れなければウォクの負け、不合格となり今後合格することはない、ウォクも知ってると思うけどハソンは元イ、クァン様の護衛兵であの朝鮮一の剣士として名が知られるヘ、テマン様が刀術を認め、唯一の弟子として様々な武芸を教えた、それを知ってるから尚更怖い?怖いならやめる?」







「いいえやめません、その条件で構いません、やります」ウォクが言うと私は微笑むで「その度胸は高く評価する、だけど世の中には度胸だけではどうにもならないこともある、今日それをウォクに教える、」私はウォクに言うとウォクの両親は不安そうな顔でウォクを見ていてウォクは表情を変えずに私を見ていた「では始めよう、ハソン」「はい、クオン様」「手加減はしなくていい、殺さない程度に全力でウォクの相手をしてあげて、」「はい、クオン様」






私の言葉を聞いてウォク以外の周りの人はざわつく二人は木刀を持って戦い始めた、ハソンは、私の指示通りに殺さない程度に全力でウォクを潰しにかかるお腹に木刀が入り転がされたウォク、「「!?」」「「ウォク!」」同時に叫ぶウォクの両親しゃがみ込むウォクに更に木刀で殴ろうとするハソンに「やめよ!」と私は叫ぶハソンの振り下ろされた手は止まる







私はウォクに歩み寄り「どうする?やめる?辛いんでしょ?苦しんでしょ?だったらやめなよ、やめて楽になりなよ、今諦めれば正刀府の武官にはもうなれないけど楽になるよ」「……お断りします、俺は決して諦めません」「だったら立ち上がれ!」「「!?」」




私は「いつまで遊んでるの?まさかこれは試験だから本気を出す必要はないとか思ってる?そんなんで大切な人を守れるわけがない、ウォクが合格できなければケインは死ぬかもしれないと言ったらどうする?」「!?それは一体どうゆうことですか?ケインが死ぬかもしれないって」







ウォクは驚いた表情で私を見て「建物の上を見て」私とハソン、ジン、アドを含めた私の護衛兵以外は、建物屋根を見るとケインが棒に貼り付けになり縄で体を縛られていたウォクが「!?ケイン!」「「!?」」ウォクは「クオン様、これは一体何の真似ですか?どうしてケインがあんな危険な所にいるのですか?」といつもより強い口調で私に問う






私は「ウォク、ケインを助けたければハソンに勝つ以外道はない、ちなみにあの縄時が経てば切れる仕組みになってるから早くしないとケインが地面に落下しちゃうよ」「クオン様!すぐにケインを屋根の上から降ろしてください!」私は「だからハソンに勝ってと言ってるの!」と声を大きくする「ケインは俺の試験には関係ありません、」






私は「ウォクはそう思ってるかもしれないけど私の考えは違う、こうでもしない限りウォクは本気を出さないだから急いだ方がいいよ、ケインが地面に落下する前にハソンが身につけてる小皿を割らないとケインが無事では済まないよ、」





「「……」」「ハソン、始めよ」「はいクオン様」私は避けてハソンは、座り込むウォクに木刀を振り下ろすウォクは素早くはじき返す「「!?」」








そしてさっき素早い行動でハソンに向かって行きハソンが全力でを出していてもその動きにウォクはついていく私はその姿を見て微笑むそしてそして隙をつきハソンが身につけてる小皿を割った「「!?」」それを見た私は「そこまで勝者ハ、ウォク」と言うと周りは歓声に包まれたウォクは私を見て「俺の勝ちです、早くケインを屋根から降ろしてください」








「もちろん降ろすよ、それからケインの縄は時がきても自然と切れたりしないから安心して」ウォクは「やはり最初から俺の本気の刀術を試す為にこんなことをしたのですね、」ウォクに「うん、ごめんね、こんな真似してさっきも言ったけどこうでもしないとウォクは本気を出してくれないと思って」






「そんなことはいいですから、ケインを降ろしてください、」「そうだね、アド、すぐにケインを降ろして」「はい、クオン様」アドは、ケインの縄をほどきケインと一緒には下へ降りてきたケインはウォクに近づき「合格おめでとう、ウォク」「その様子だとケインは初めから知っていたんだな」とウォクが呆れ顔で言う






「うん、知ってたよ、もしかして本気で心配した?」「!?なわけないだろ?」と少し動揺しているウォクにケインは「あれなんか動揺してる?」「!?してない、何でお前なんかの為に俺が動揺するんだ」「してたよ、」「してない」「してた」「してない」「絶対してた!」「いいや絶対してない!」と二人は口論し始める





そんな二人に私は「あのさ、お取り込み中のところ悪いけどまだ試験の最中だから」私が言うと「「あっ申し訳ございません」」と二人は謝る私は微笑んで私は「ハ、ウォク」「はい、」「そなたを合格とする、そなたが心配している武官に必要な書物ドラマ刀こちらで用意するから心配しないで」「はい、」ウォクが返事をする







「それからそなたの階級だけどハ、ウォク、そなたを正五品、恵救〈サクソ〉に任命する」ウォクを含めた周りはざわつく私はウォクに「返事は?」ウォクは「はい」と答える私は用意していた官服と具軍服が数枚入った箱を渡す「この二つの箱には官職に必要な官服と具軍服が入っている、決してなくさないように」「はい、」と返事をして二つの箱を受け取るウォク








「それからウォク、官職につく前に問う」「はい、」「そなたのこれから歩む道はとても険しい道だ、見知らぬだけかの為に命を懸けなきゃいけないしそなたが罪人を捕まえればその分の人から恨みを買う、そなたが恨みを買えばそなたの周りの人が時には危機に陥り命を落とすことがあるもしれない、そなたが進む道はそんな道だ、それでもそなたは最後まで諦めずその道を突き進める?」








「「……」」「はい、突き進みます、どんなことがあっても最後まで」私は微笑んで「そう、ならどこまででも突き進んで、そして権力が全てだって思ってる非道な両班達にやっていることが非道な行いだと法を分からせてあげて」「はい」ウォクが返事をすると私は頷き「それから五日後に任命式を行う、王様にご無礼のないように気をつけてね」「はいクオン様」









五日が経ち無事任命式が終わりウォクが試験で全力のハソンと互角に戦い勝ったことが国中に知れ渡った












































































































































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