作業感ハンパない仕事VS興味深い仕事【さきに片付けるべきはどっち問題】

・作業感の強い簡単なタスクVS興味のある難しいタスク 先にやった方がいいのはどっち?

・試験の鉄則「解ける問題から解く」は科学的に正しい?


 答えが気になるあなたは、読み進めていただければ幸いにござい。


 人間はよくわからない問題ほど後回しにしがち──。そう聞いたところで、ふとこんな疑問が頭を過ぎった方はいませんか? 

 今、出社したあなたのデスクには二つのタスクがあります。ひとつは作業感の強い簡単なタスク。もう一つは興味のある難しいタスク。もちろん、リアルであれば急な別件が舞い込んでくるケースもあり得るでしょうが、そういったイレギュラーは今回無しと致しましょう。


 さて、あなたはどちらのタスクから取り掛かるのが最適だと思いますか?


 今回お話しさせていただく内容は、コロラド州立大学が行った内発的動機付けに関する研究がベースとなっております。内発的動機付けは内から湧いてくるやる気、外発的動機付けはこれやったらお金あげるよ~とか、ボーナス弾むよ~とか、そういう外部要因でやる気が出ることですね。

 で、相も変わらず実験の内容は省いて結論から申し上げますと、答えは「興味のある難しいタスク」です(この手の話題で結論後回しにされるとシンプルに眩暈しません?)。

 

 私たちは、作業感の強い簡単なタスクより先に、興味のある難しいタスクに取り組んだ方が良いのです。


 以下、理由を説明。件の研究において判明したことは「人間は興味のある難しいタスクに取り掛かることで内なるやる気を刺激される。その後、作業感の強い簡単なタスクに取り掛かってもらうとそちらでも高いモチベーションを維持することができた」というものでした。


「コレ難しいんだけど割と面白いな」という感覚は、結果として次なる作業(それが退屈な内容であっても)のパフォーマンスを高めてくれるのです。


 だから──私も身に覚えがあるのだけれど、休日朝からいまいち気乗りしないとき、「まずはブログ更新でもするか~」と思っていた時期があったのですが、やる気と集中力の観点から云えばそれは間違いだったわけです。実質転載作業なので。大して集中してなくてもできますし。

 以上を踏まえて「わかりました! じゃあ、試験も難問から取り掛かればやる気ブーストしますね! 次からそうします!」という方、もしかしたらいるかもわからんので一応伝えておきますと、これ"興味のある"難しいタスクに挑んだ場合に起こり得るメリットなので。


 人間が好奇心を刺激されるのって、"程よい難易度"のタスクに対してなので。


 難し過ぎるタスクに対しては、フツーに心折れます。試す分には構いませんが、試験は解ける問題から解くことをおすすめ致します。

 ちなみにこの解ける問題から解く──最初から最後までざっと目を通してから取り掛かるこのやり方ってどうなの? と思ったあなたへ。結論から申し上げますと、正しいそうで。

 件のテクニックは「スキミング」と云いまして、私たちは作業前のたった数分「どんな問題があるのかなぁ~」と概要をざっくり把握するだけで、余計な心配やプレッシャーが減り、集中力が上がると云われています。確かに、待ち受けている障碍がわかっていれば、ある程度心にゆとりはできますものね。高いパフォーマンスを発揮する上で、やはり最大の敵は焦りであると。


 さて、今回一番伝えたかったことは何かと云いますと、好奇心ってやる気着火剤なのですよ。


 たとえば、今私の手許に『20世紀の美術家500』という本があるのだけれど、仕事であれ趣味であれ行き詰ったときとかにぱっとこれを開いてる。「自転車の部品を四角く圧して固めた物体が芸術ぅ~? けど、面白くはある」「食器棚にめいっぱい卵殻を詰めたのが芸術ぅ~? アリっちゃアリか」みたいなね。思考が壁にブチ当たったとき用に、好奇心を刺激されるものを傍に置いておくのはぜひおすすめしたい。

 だから、どうにも「カク」やる気が湧かないときとかは、普段なら絶対読まないジャンルを「ヨム」のも一興かもしれません。「カクヨム」なだけに。別に巧くもなんともない。ぶっちゃけ実用書は新たな知との出会いで小説は新たな自分との出会いみたいなところある。

 ではまた~。

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