VRとはなにか──現実不確定性


 すっかり落ちこぼれた高校生の坂本拓也はVRゲームに支えられていました。その彼に美しい才女中澤 遥が声をかけてきます。2人の出逢いが偶然か巧れたものか物語は急激に展開して人々の存在意義に関わるタイトル──ディプラスターワールドへと突き進んでゆきます。

 ネタバレになるので内容の詳細に関しては書きません。ですが、周到にねられた伏線を回収するように次々と違う世界を体験してゆく主人公達の行く先が積み重ねる努力の結果得られる宝玉ならタイトルに納得もゆくと思います。

 よく考察された物語で終始楽しめるのですが、惜しむらくは書籍向けの作品になっていますので、ネットに適した文体表示にされていたらもっと良い作品になると思います。

 いずれにしてもVRの世界の意味を問うとても良い作品です。