星空の下で

ウェッジは一人で夜空を見上げた。


「畜生・・・」


がさり、 と芝生の音がする、 振り返るとそこにはO5-1が居た。


「!?」

「少し話そうか」


そう言ってウェッジの隣に座ったO5-1。


「・・・・・」

「気持ちは分かるよ」


O5-1は静かに言った。


「何で自分がこんな目に? と思っているな」

「・・・当然でしょう、 自分が消えるかもしれないんですよ?」

「不老不死とどっちがマシかな?」


何でもない様にさらりと言うO5-1。


「私は世界を救う為に数百年

色んな体に乗り移っては今まで散々な目に遭って来た

蜥蜴に喰われたり、 彫刻に首を圧し折られたり

シャイな野郎に体を引き裂かれたり、 眼球が腐り落ちたり

肉塊の化け物に襲われたり、 色んな死に方をしたもんだ」

「それは・・・お気の毒です」

「まぁ色々ふざけたりもしたがね、 最初の百年は本当にふざけたよ」

「今の貴方からは想像も出来ませんね」

「真面目に仕事が出来るのが私だけだからな

昔の仕事仲間達が懐かしい・・・」


O5-1は眼を閉じた。

通り過ぎた仲間達を思い浮かべているのだろうか。


「ウェッジ、 消えたくないんだな?」

「はい、 当り前でしょう」

「世界は何度も滅んだ」

「え?」

「その度に私が世界を救った」

「・・・・・信じ難いですね」

「誰もその事を覚えていない、 だからそんな事実は無いんだろう」

「・・・・・」

「私の仲間を私が覚えている、 だから私の仲間は実在した

ならばお前は決して消える事は無い

私の記憶に彼等が居る様に、 バルドの記憶が残っている」

「・・・・・」


俯くウェッジ。

立ち上がるO5-1。


「柄にも無く説教をしてしまったな、 明日までに如何するか決めてくれ

もしも賛同出来ないと言うのならば、 そのまま立ち去ってくれ」

「・・・・・」


O5-1は去って行った。


「畜生・・・」


ウェッジはポツリと呟いた。







翌日、 レーアに皆に事実を話した事を伝えたバルド。


「そ、 それで皆はなんて!?」

「ウェッジさん以外は賛成すると・・・」

「ウェッジは今何処に?」

「さぁ・・・」


出発の時間になり皆が集まった。


「ウェッジさんは・・・」

「ここに居るぞ」


ウェッジが胸を張って皆と同じ所に集まった。


「ウェッジさん・・・」

「昨日マジで色々考えた結果、 付き従う事にした」

「ありがとうございます」

「礼は要らない、 さぁ、 行こう」


そうして皆はSCP-1968の元に向かうのだった。





その彼等を草むらから見る一つのスシブレード。

サー・アイのマグロの目玉であった。


「捕捉しました」

「良し、 急ぐぞ」


闇達が近づいていたのだった。

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