迫る決断の時

「世界を改竄する円環・・・ですが、 それなら円環を操作した人間はどうなるのですか?」

「円環を操作した人間は改竄から守られる・・・らしい」

「らしいって・・・」

「最早イエローストーンの立て直しは不可能、 攻め込まれたら私達は確実に負ける

だから私達は世界を包む逆因果の円環で貴方を過去に飛ばし

ダークネスシ帝国が生まれる前に滅ぼす」

「僕じゃないと駄目な理由が有るんですか?」

「最強のスシブレーダーは貴方よ、 だから貴方が適任とされた」

「で、 でも!! 僕が過去の世界に行った所で現在が良くなる保障は無いでしょう!!」


立ち上がるバルド。


「・・・・・それは違うわよ、 貴方が過去に行くんじゃなく

この世界が過去の少し違う世界になるのよ」

「そ、 それじゃあ僕がレーア様を、 皆を殺すって事じゃないですか!?

この世界が無くなるなら戦う意味なんて!!」

「それでも世界が闇寿司に支配されるよりは良いでしょう、 って事よ」


レーアはお茶を飲んだ。


「久々に飲んだけど、 貴方のお茶は本当に心が安らぐわ」

「・・・・・ありがとうございます」

「さっきは地獄って言ったけども天国の様な世界かもしれない

行く気が有るならO5-1が案内するそうよ」

「地獄ですよ、 貴方が居なければ、 皆が居なければ

一人ぼっちの世界はきっと地獄でしょう」

「・・・・・・・・・・」

「そんな事を考えなくて良い、 既にお前達の行く先は無限地獄と決まっている」


ばん!! と天井のタイルの一部が剥がれ落ちてそこから降りて来る影。


「なっ・・・なんだ!?」


降りて来たのは頭に損傷を負っている見るも無残な少女5名。

怪我のレベルから最早既に死んでいるのではないかと言う状態の者も・・・


「何だお前達!!」


そう言うなり生きている銃で撃つレーア。

撃たれて穴だらけになる5人。


「如何しました!?」


銃声を聞きつけ慌てて警備兵が入って来る。


「敵だ!! レーア様が成敗なされた!!」

「そ、 そうですか・・・」


びくん!! びくん!! と動く穴だらけの少女達。


「ま、 まだ生きているのか!?」

「う、 うわあ!!」


警備兵が槍を突きたてる、 血がまるで出ない。

死体なのだろうか。


「う、 動く死体だと・・・一体どうなっているんだ・・・」

「分からない・・・スシの暗黒卿の、 或は闇のスシブレーダーの力なのかもしれない」

「とりあえず警戒を強めましょう!!」

「そうね・・・それでバルド、 一体如何するの?」

「・・・考える時間を下さい」

「良いわ、 但し一晩だけとO5-1が言っていたわ」

「・・・・・」

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