見送り

村はずれに集まった村の人々。

若い衆だけでは無く女も集まっていた。


「態々見送りに来て貰って済まないな」

「いえいえ、 お気になさらず」


クワイを見送りに来たのだ。


「しかしクワイさん、 歩きで大丈夫ですか?」

「こう見えても剣聖だ、 走った方が早い」

「そうですか・・・」

「ではな」

「じゃあお前達」

「「「「「「「「はい!! クワイ様!!

ばんざあああああああああああああああああお!!!!!!」」」」」」」」


女達が喧しい位の声援をあげる。


「照れるな」


声援を背に歩き始めるクワイ。


「「「「「「「「「「「「「「「「「「

ばんざあああああああい!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


スシブレードを構える若い衆、 そして射出する。


「!!」


クワイが振り向き聖剣【ケペシュ】を抜いて振り返った。

ケペシュは鎌型の剣で戦斧から発展した武器と言われている。

その形状から盾をはぎ取る形状なのだが

スシブレード相手にはその効果は発揮出来ないだろう。


「「「「「「「「「「「「「「「「「「

ばんざあああああああい!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

「くっ・・・」


スシブレードを被弾しながら茂みに隠れるクワイ。

声援は攻撃を隠すカモフラージュだったのだ。


「!! ヨーダさん達にも伝えないと!!」


クワイが気が付き、 移動しようとする。

しかしフレアオクトパスのタコの唐揚げが飛んで来る。

ケペシュでガードしようとしたが弾き飛ばされ、 次々にスシブレードが殺到。

クワイが息絶えたのだ。


「「「「「「「「「「「「「「「「「「

ばんざあああああああい!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

「よし、 死んだな、 女衆、 もう黙って良いぞ」

「はぁ・・・」

「疲れたぁ・・・・・」

「喉が枯れそう・・・」


女衆には声を挙げさせて隠す必要があったのだった。


「旦那、 これから如何します? 残りの剣聖も打っ殺すんですよね?」


レッドが腰を低くしながら尋ねた。


「さっき話しただろうが・・・

じゃあこれからの流れを再確認するぞ、 クワイが死んだ事を剣聖共に伝えて

ここに誘き出す、 出来れば分断するぞ、 そして速攻でトドメを刺す」

「おっしゃ!! やるぜぇ!!」


気合十分の若い衆。


「ふんどし締め直せよ、 ここで剣聖のトップをやれたら

俺達の闇のスシブレーダーとしての価値も鰻登りだ」

「もう上位の奴やれたし相当評価高そうですけどね」

「もっと上に上り詰めるんだ」

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