メラナイ森にて

一夜明けて再びる行方不明の調査の為にメラナイ森に向かうウィンドゥ一行。


「ウィンドゥさん、 ここから先は歩きになります」

「仕方あるまい、 馬はココに繋いでいこう」

「え? ウィンドゥさんを態々歩かせると?」


シャアクが疑問を口にする。


「シャアク、 この森にはコカトリスと言う化物が居るのだ

我々八十八剣聖ならば遅れは取らないが万が一と言う事も有る

警戒しながら先に進むには馬を降りて進むのが一番だ」

「な、 なるほど・・・勉強になりますウィンドゥさん」

「よろしい」


歩きながら森を移動するウィンドゥ一行。


「ウィンドゥさん、 少しいいですか?」


フィストーが進言する。


「如何した?」

「血の匂いがします」

「それは恐らくはコカトリスに襲われた犠牲者では?」

「否、 この森にコカトリスが出るのは誰でも知って居る事だ

態々この森に入る馬鹿は居ない、 その血の匂いの所にまで行くぞ」


ウィンドゥ達がフィストーに連れられて血の匂いの地点まで移動する。

闇が野営していた所である。


「ふむ・・・血が有るな、 乾いている・・・」

「野営していた所をコカトリスに襲われたんでしょうか?」

「死体が無いぞ?」

「・・・・・」


乾いた血を舐めるフィストー。


「これはコカトリスの血ですね・・・」

「なんと、 コカトリスを倒す者が居るのか?」

「八十八剣聖の誰か・・・では無いでしょうね」

「だろうな・・・フィストー、 追跡は可能か?」

「えぇ、 問題有りません、 足跡はしっかり残っています

追跡は容易です、 ただ・・・」


言葉を濁すフィストー。


「如何した?」

「敵は恐らく3人、 足跡の形状から一人・・・いや一匹魔族が紛れていますね」

「魔族と人が共に行動をしているというのか?」

「どういう事だ?」

「行方不明者は魔族に拉致された人で連れ回している?」

「可能性としては無くは無いな、 よし早速足跡を辿って行こう」

「そうしましょう」


足跡を辿るウィンドゥ達、 足跡は森の外にまで続いていた。


「森の外に出たのか・・・・・ん?」


遠くで馬が駆けている、 馬には誰かが乗っている。


「って良く見ればあの馬は我々が乗っていた馬じゃないか!!」

「森の手前で置いて来た馬ですね・・・残っている馬は2匹ですか・・・」

「おのれぇ!! 許さん!! お前達は後から馬に乗って来い!!」


ウィンドゥは走って駆けている馬に追いかけていく。

ウィンドゥの身体能力はすさまじい為、 馬にも追い付けるだろう。


「・・・じゃあ我々は二人乗りで四人行くか」

「そうしましょうか・・・」

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