半月後

遂にバルド達の元に到達したヴォルフガング軍。


「ついに来たか・・・」


双眼鏡でその様子を見るバルド達。

すると軍団から一人の男が現れた。


「あー、 あー、 こほん、 スシブレーダーバルドよ!!

聞こえるか!? 我はダースシ・ヴォルフガングの代理人

ヤミ・マスターのピースメイカーだ」


蟹バサミでピースするピースメイカー。


「戦う前にこれをみろ!!」


そう言って磔にされたトゥーンウィを見せるピースメイカー。


「トゥーンウィ!? 何故ココに!?」


驚くバルド。


「何故かコイツが襲撃したから捕えて捕虜にした!!

コイツの命が惜しければ降伏する事を提案する!!

コイツも君達の命は保障しよう!!」

「何を馬鹿な事を・・・戦おうバルド」


三崎が冷酷に言う。


「三崎さん!?」

「君の気持ちも分かるがここで引く訳には行かない」

「加えて!!」


声を上げるピースメイカー。


「お前達には寝耳に水だろうが

こちらの軍にはスシの暗黒卿のダーク・イタマエ様も居る!!」

「!!?」


驚愕するバルド達。


「スシの暗黒卿が二人・・・」

「この前だってスシの暗黒卿二人と戦ったじゃない」

「あれとは状況が違い過ぎる・・・」


前回とは敵の数が違い過ぎる、 この状況は絶体絶命の危機である。


「・・・あ、 おい、 あれ・・・」


ハウがピースメイカーの元に近寄った。


「ハウさん? 一体何を・・・」

「俺はバルドからの伝言を伝えに来た!!」


ハウが叫んだ。


「ほう、 彼は何と?」

「時間が欲しいとの事だ!! 2時間頂こう!!」

「何故?」

「話し合う時間が必要だからだ!!」

「話し合う時間だと?」

「そうだ!! そもそもお前達は先触れも出さずにいきなりやって来た!!

こちらの混乱も少しは考えて貰おう!!」

「ふむ、 正論だな、 良いだろう2時間でも3時間でも待つよ」

「では3時間貰おう!! 3時間後にこちらから返事を出す!!

それまでゆるりと待たれよ!!」

「厚かましいな、 でもこちらが言った事だ、 3時間待つよ

3時間ゆったりと如何するのか考えなよ」


ハウはそう言うと戻って行った。


「ハウさん・・・独断専行でしたが時間を稼ぎましたね」

「・・・・・ねぇ、 これって可笑しくない? 何で素直に待ってくれるの?」


三崎は疑問を口にする。


「変な事ではないだろう」


ケイが説明する。


「こちらに時間を与えるのは確かにメリットも大きい

だがしかし時間があればある程、 心は安定を求める物だ

決意が鈍る、 と言う事だな」

「つまり?」

「相手はこっちがビビると思っているのだろうさ

まぁ軍相手ならばそれが普通だけどね」

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