病室にて

バルドが目を覚ますと見知らぬ天井だった。


「ここは・・・」

「目が覚めたか、 バルド」


ハウがバルドが寝ているベッドの横で待機していた。


「ハウさん・・・僕は・・・僕達は・・・」

「ジューンの手下は殆ど死んだが俺達は勝利したよ」

「オーモリは・・・倒せたんですか」

「あぁ死体がバラバラになって確認したよ」

「そうですか・・・ここは?」

「治療院だ」

「・・・・・」


一息つくバルド。


「あれから如何なりました?」

「あれからダークネスシ帝国派の連中は駆逐出来た

ダースシ・オーモリを打倒出来たのが良かった様だ

この街はダークネスシ帝国から奪い取ってダークネスシ帝国の魚の供給はこれで断ち切れた」

「良かった・・・」

「良い報せばかりではない、 モン・カラ湿原での戦いで三国軍が敗北したらしい」

「そんな!?」


驚愕するバルド。


「じゃ、 じゃあ僕達は急いで戻」

「いや、 ここで待機だ」

「待機!?」

「ダースシ・ヴォルフガング率いる部隊がこちらに進軍しているらしい」

「ダースシ・ヴォルフガング・・・」

「あぁ、 ヒノモトに駐屯していた様だが如何やらヒノモトよりも

ここの奪取の方が優先されるらしい」

「そうですか・・・」

「休む暇も無しだな・・・」

「そうですね・・・」


窓の外を見るバルド。


「恨む間も無し、 ですね」

「ジューンか」

「えぇ・・・恨み言を言いたかったけどももう死んでしまった」

「あぁ、 奴とヘカトンケイルの死体も出て来た

両者酷い死に顔だった・・・」

「・・・・・」


戦争とは何もかも奪い去る物なのか、 死者を悼む時間も惜しむ時間も恨む時間も無い。

何と凄惨な物だろうか。


「ヴォルフガングが来るまでどれ位ありますか?」

「半月かかるかかからないか位だろう」

「そうですか・・・他の皆さんは?」

「休んだり修行したりスシブレードの試行錯誤をしたりと・・・色々だ」

「そうですか・・・」


その時部屋のドアが開かれた。


「バルド、 起きたか」

「三崎さん」


三崎が部屋の中に入って来た。


「まずはスシの暗黒卿を倒せた事を祝おう」

「ありがとうございます」

「それで色々聞きたいんだが良いか?」


食い気味に来る三崎。


「え、 えぇ大丈夫ですよ」

「じゃあまずはちょっとスシブレードを見せて貰えないか?

スシの暗黒卿の技の切れは遠くから見ていたがアレに対抗出来るとは思えない

是非とも調べさせてほしい」

「見る程度だったら・・・」

「ありがとう」


画してダースシ・オーモリとヘカトンケイルを倒した一行。

次なる戦いに向けて準備が始まったのだった。

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