狂気の施条

三崎とバルドがスシブレードを作っていた頃。

オーモリのアジトでは・・・


ギャリギャリカカカカカカッ!! ギリリリリリリリリッギュルッルルルルルルルル!!


「なんすかこの異音は・・・」


オーモリのスシトルーパーの食べ比べはオーモリに尋ねた。


「ヘカトンケイルの奴がスシブレードを作っているんだ」

「スシブレードを作っている音では無い・・・何をしているんだ・・・」


空けるなと書かれたドアからそっと中を除こうとするモド。


「馬鹿ッ!! 開けるなッ!!」


ドアごと吹き飛ばされる食べ比べ。


「なぁ、 オーモリ、 お前とお前の部下が馬鹿なのは知って居たが

まさか文字すら読めないとは思わなかったぞ?」

「こいつが全部悪い」

「部下の責任は上司の責任だろう」

「ふん、 自分の責任は自分の責任だろう」


バチバチと火花を散らすオーモリとヘカトンケイル。


「まぁまぁ二人共落ち着いて下さい」


サンドイッチが諫める。


「お前は黙ってろ」

「その通りだ」

「えぇ・・・」


困惑するサンドイッチ。


「しかしヘカトンケイル、 お前うっさいわ」

「ふん、 お前とこうして協調関係に有るんだ今の内に戦力増強をしなければならない」

「戦力増強か・・・そのスシブレードか?」

「あぁ」


マントの下から伸びる手に握られたいたのは見事なマグロ寿司である。


「確かに立派なスシブレードだがそんな物で勝つつもりか?」

「・・・・・」


黙って射出するヘカトンケイル。

スシブレードが真っ直ぐ飛び、 オーモリのすぐ横を通過する。

そして背後の柱を貫通する。


「ふん、 この位スシの暗黒卿なら出来て当然だ」

「否、 私は闇のパワーを使っていない

純然な完全美たる我がスシブレードの力だ」

「何?」


オーモリは海で鍛えた獲物を狙う視力を

闇のパワーで強化したスシの暗黒卿視力で見た!!

何と言う冒涜か!! ヘカトンケイルの操るスシブレードはスシに

否!! 食品にすら非ず!! それは寿司型の彫刻であった!!

マグロの筋は見た目では分かり難いが深い溝が刻まれライフリングの役割を果たす!!

ライフリングとは銃の弾丸に旋回運動を与え

ジャイロ効果によって弾軸の安定を図り直進性を高める物である!!

つまりこの彫刻寿司は横回転しながら真っ直ぐ飛ぶという物である!!

通常ライフリングは銃身に行われる物だが

弾丸側にライフリングを行うとは・・・狂気!!


「これは普通の一般ソルジャースシにも使えると言う事だ

分かるか? 我が闇のパワーはスシブレードを作る為に使う物なのだ」

「なるほどな・・・」

「さて・・・もう朝か・・・昼まではほっといてくれ」


そう言って部屋に戻るヘカトンケイルだった。

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