壁に立つ男

海苔の足場を登りながら上に進むバルド達。

それを見るアポビオーシスポビオーシスを運用する巨人達。


「なぁ・・・俺達、 アイツ倒さなくて良いのか?」


サイクロプスの一人が呟く。


「気持ちは分かるよ、 でも俺達じゃあ足場毎崩しちまうから無理だ

ヤミ・アプレンティスに任せるしかない」


別のサイクロプスが答える。


「敵を眼の前にして戦わないとはな・・・優しくなったもんだ、 我々も」







バルド達は海苔の梯子を上って行くと驚愕の光景を目にした!!

何とアポビオーシスに垂直に立っている男が居たのだ!!


「な、 なんだ一体!?」

「くくく、 俺はクリーム、 俺の足は粘度が高いクリーム状になっていてな

こうやって張り付く事が出来るのだ」

「説明どうも!!」


両手を放してマヨコーンを射出する三崎。


「ふん!!」


クリームは足を外し落下してマヨコーンの直撃を防いだ!!

そして再度壁に足を接着させ落下を防ぐ!!


「俺のクリームケーキは特別製でな、 壁にくっつく仕様になっているんだ!!」

「なんて無駄な特別仕様・・・」

「ほっとけ!! ここにおいては俺は無敵だ!!」

「・・・・・」


バルドは梯子を上って行った。


「ふふ、 逃げるつもりか」

「3、 2、 1、 へいらっしゃい」


梯子を上り終えて壁にくっつけてエッグヴィーナスを射出するバルド。

壁を走るエッグヴィーナスだが、 当然ながら壁にくっつく仕様では無い。

重力落下に従って下に落ちていく。


「クリームケーキの様には行かないなぁ!?」


クリームがせせら笑う。

しかしエッグヴィーナスはクリームの足に激突、 クリームは絶叫をあげて落下していった。


「・・・・・何だったんだ今の奴は?」


三崎が呟いた。


「さぁ・・・?」


バルドは分からんと言う風に手を広げる。

エッグヴィーナスを回収して上に向かった。

そして最上部、 マグロの部位にやって来た一行。

そこに佇む一人の男。


「誰か居る・・・」

「流石に誰も居ない訳は無いだろうとは思ったが・・・」

「・・・・・」


丼としゃもじをかまえる男。

男はおもむろに自分が立っているまぐろを掬い丼に叩き込んだ。


「マグロ丼・・・か」


唾を飲み込む三崎。


「気を付けろ質量は今までのスシブレードと違う」

「あぁ・・・ここは皆ばらけて先に進んで、 このデカブツの弱点を攻撃しましょう」

「それが賢明ね、 見た所、 奴は一人」

「いやマドカさん、 それは違うよ」


マドカの言葉を否定する三崎。


「如何して?」

「彼が足元に置いて有る物、 あれは御櫃、 即ち御飯が入っている」

「!! つまりスシブレードを沢山発射して来る?」

「可能性は高、 撃って来た!!」


飛んで来るマグロ丼のスシブレード!!

果たしてバルド達は打ち破れるか!?

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