ぽろぽろ

コーネリアスはこの世の地獄を見ていた。

次々と口の中に入れられる人肉寿司。


「げほっ・・・普通のスシでもこんなに喰えるか!!」

「君は最初から食べようとしていないじゃ無いか」


尚もセキユーは次々と口に人肉寿司を入れ続ける。


「あぁ・・・人の為になるって素晴らしい・・・私は勘当すら覚える」

「ふざけ、 むご」


セキユーは涙を流しながら次々と人肉寿司をコーネリアスの口に入れ続ける。


「テミリ・・・ブラック・・・良かったねぇ・・・」

「何を言って・・・」

「あぁ・・・・・・・・・・・・え?」


動きが止まるセキユー。

セキユーを見るコーネリアス。


「え・・・」


セキユーの脇腹から血が流れている。

包丁が突き刺さっている。

刺したのは足の無い少女。

如何やら吊り下げられて叫んでいた少女の様だった。


「思い知りなさい!!」


次々と包丁でセキユーを滅多刺しにしていく少女。

セキユーは倒れ内蔵が露出し始めた。


「ひ、 ひぃいいいいいい!!」


パニックになったコーネリアスは慌てて走って梯子まで逃げようとする。

コーネリアスの手が梯子にかかった瞬間。


「うわあああああああああアアアアアアアアア!!」

「はっ?」


どんがらがっしゃーん!!

梯子の上から滑って落ちて来たサイの下敷きになってしまった。

そのままコーネリアスは意識を失った。


「サイ!! 大丈夫ー!?」

「あたた・・・何とか助かりました!! ・・・何か下敷きにしてしまったみたい!!」

「何だそれ・・・」


バルド達も後から降りて来る。


「何だこの人・・・」


コーネリアスを見て絶句するバルド、 大量のザクロを吐いたのだから物凄い顔なのは確かだ。

そして奥からざくざくと音がする、 奥に入ってみるとそこには吊るされた子供達の死体

滅多刺しにするセキユーと少女。

少女は少し小休止していた。


「はぁ・・・はぁ・・・」

「・・・・・これは一体何が起こっているんだ・・・」

「いや、 それよりこれは・・・おえ!!」


バルドは吐いた、 自分が子供の肉を食べてしまった事を悟って。


「・・・・・やぁ」


どん、 と少女は刎ね飛ばされた。

セキユーは腹から内蔵をぼろぼろ落としながら立ち上がりバルド達に向き直る。


「昼間の人達だね」

「セキユー・・・さん、 これは一体どういう事ですか・・・」


サイが震えながら尋ねる。


「ザクロとは人肉の事なんだよ」

「私を騙していたんですか!? 美味しいスシを作って食べて貰いたいって・・・嘘だったんですか!?」

「嘘じゃない、 本当の事なんだよ」


セキユーは語り始めた。

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