美味しいスシを召し上がれ

次元間スシ・フィールドが解かれる。


「私はね確かにスシの暗黒卿だよ

でも私はね、 戦いが嫌いなんだ、 私はスシを食べて貰いたい、 それだけなんだよ」


にこりと笑うセキユー。


「・・・と言う事は貴方はダークネスシ帝国とは関係が無い?」

「いや? 帝国からは資金援助を受けている代わりに

何処何処で店を開いてくれと言う指示が出ている

今回はサイさんが協力してくれて屋台で炊き出しをする事になった」

「・・・サイさん、 どういう事ですか?」


エミリーがサイを睨む。


「その前に謝らせて頂戴、 ごめんなさい」


土下座をするサイ。


「・・・どういう事ですか、 一体」

「私は貴方達スシブレーダーを可笑しな連中だと勘違いしていた

でもスシって本当に奥深い物だと分かったの

そのスシの奥深さを教えてくれたのがセキユーさん」

「・・・・・どういう事ですか?」

「私は最初セキユーさんを殺そうとしたの」

「スシの暗黒卿ですからね、 殺そうとするのは仕方が無い・・・」

「でもセキユーさんは私とスシブレード勝負をしたの」

「サイさんはスシブレード無いじゃ無いか」

「私が貸しました」

「なるほど・・・」


納得するバルト。


「そして私はスシブレード勝負に負けてセキユーさんの寿司を食べたんです・・・

何と言うか本当に美味しかった・・・」


涙を流すサイ。


「確かに美味しかった」

「セキユーさんはこのザクロ寿司を作るのに本当に苦労しているのよ

何度もシャリを握って・・・見てセキユーさんの手」


セキユーの手は不自然に凸凹している。


「こ、 この手は?」

「寿司を握る為に変質したんです、 闇のスシブレーダーにはよくある事です」

「怖い・・・」

「そしてセキユーさんが

純粋にスシを握って食べて欲しいって言う気持ちを持っているって知ったんです」

「加えると食べて美味しいって言ってくれる事だね

私は私の子供、 スシが世界の役に立って認められるのが嬉しいんだよ」


セキユーは優し気に語った。


「・・・・・セキユーさん、 貴方は上流階級にもスシを?」


エミリーが少し考えて話す。


「それは如何だろう・・・身形の良い人は一杯店にも来る、 その人たちにもスシを振舞うよ」

「つまり上流階級に闇寿司思想を植え付けているのは貴方、 そう言う事ですね」

「如何だろう・・・私はスシを握って食べさせているだけだ・・・

そういう思想とかそういうのは良く分からない・・・」


セキユーは優し気に語った。

この雰囲気、 如何見てもスシの暗黒卿には見えない。

バルトもトゥーンウィと対峙した時と比較しても威圧感が無い事に驚いている。


「では私は店の方に戻りますので、 では」


そう言うとその場から消えるセキユー。

次元間スシ・フィールドの応用である。

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