スキマだらけのおかげで
おはようございます、このはりとです。
わたしは、物語の書き手としては「不良」の部類に入ると思っています。プロットらしいプロットは作らず、お話がどう始まりどう終わるのか、お話で何を描きたいのか、いくつかの重要なシーン、それらが浮かんだら書き始めていますので、不真面目、ととられても不思議はありません。
「虚構という嘘をつくのだから、嘘を突きとおせるよう舞台・人物設定のディテールはしっかりと」と思っていた時期もあったのですが、いつからか、「主人公の一生懸命走る姿を描きたいのであれば、それだけでいい」と、考えかたがすっかり変わってしまいました。ですので、詳細な世界語りをなさっている作家さんの作品にふれると、「すばらしい……。これこそ物語。これこそ小説」と感服しきりです。
ですが、自身の不良さに助けられる場面はしばしばあります。最初から最後までの道にはスキマが多いので、わたしが「これ」と思い浮かべたことや、登場人物が「こうしたほうが、がぜんよくなる」と台本を書き直してくれるとき、それらが組み込みやすいんですね。そうやってスキマが埋まっていき、「もう何もない」となったとき、わたしの物語は完結を迎えます。
いま書きかけの物語は、わたしの選んだ言葉に手垢がつきすぎているのか、演者たちが「そうじゃないでしょ」とあれこれとダメ出しをしてくれています。彼女たちが「これでいいよ」と言ってくれるまで、ひたすらに直す日々です。「えー、これを演じるの?」といった不平も聞こえてきますが、「まぁ、うん。悪くはないかも」とOKをもらえると、うれしくなります。
つづく
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