第182話
だから今度は今上帝が、雛を染めていきたいのだろうか……。
その様な事を考える己が、浅ましく情け無い。
今上帝は雛の手を取ったまま、その手に口付けられた。
「雛……私はそなたに、その様な事を望んでおらぬ……だが先々そなたが望めば私は嬉しいが、それはもう少し互いを知ってからが好ましい」
「何故だ?男は嬉しいのではないのか?」
何処で理解したものなのか、恥じらいを持たずに言う。
それが今上帝の御悩み、である事も知らずに……。
「……ゆえにもう少し……」
「あっ?睦み合うてからと言う事か?だが、そなたは私の痩躯に興醒め致すやもしれぬ……」
「雛よ……もはやそなたならば、雌雄どちらでもよいのだ……」
まさか執拗に痩躯を苦にしておろうとは、さすがに自責の念におかられになられる。
だから今上帝は、熱く雛の両手に口付けられる。
「そなたの后妃となれぬは、実に口惜しい……」
「だが私の寵愛は、そなただけのものである……」
「……そなたの大好きな、女体になれず申し訳がたたぬ……そなたの意のままとならぬ我が身が厭わしい」
碧雅はそう言うと、そのまま御帳台の上に倒されて、今上帝の唇を熱く熱く受け止めた。
今上帝が、手慣れたご様子で衣に御手をかけられる。
何時もの様に碧雅はピクリと身を捩ったが、そのままおとなしく衣を剥がされた。
膨らみの無い躰が現れたが、それよりも最初に想像した以上に、白くきめ細やかな肌に釘付けとなられた。
「やはり興醒め致したか?」
そんな今上帝のご様子に、慌てて碧雅が身を起こそうとするので、今上帝は吸い付く肌に唇を付けていかれる。
「言うたではないか?そなたならば、どちらでもよいのだ……そなたでさえあらば……」
縺れ合う互いの肌に熱を帯びて、息が上がっていく……。
「!!!」
今上帝は熱を上げながら、碧雅の肌を下っていく。
きめ細やかな白肌は、思っていた以上に今上帝を興奮させる。余りに興奮し過ぎた今上帝は、我を忘れておいでてあられたが、それでも動きを止めて碧雅を凝視された。
「そなた、此処は女体なのか?」
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