第163話
「かのお方様は、それは儚く美しく……。お躰が弱いからであられたゆえか、とにかく、消え入りそうな程の儚さがおありで……お心は美しく、穏やかで物静かなお方でございました」
銀鱗は、天に輝く眉月を見つめて語る。
「
話し終えて銀鱗が今上帝へ視線を向けると、今上帝は俯いたまま涙を流していた。
「わ、私が母の寿命を、奪ったのではないのですね?私の青龍が……」
「奪うはずはございませぬ……」
銀鱗が声を張って訴えた。
「そうよ。奪うはずはない。いいか?青龍はそなたに誕生してもらわねば、大好物の力を得られぬ……全力を挙げて母体を護りはすれど、弱らせるはずは無い」
金鱗が補足を加える。
「そなた様が青龍を抱いておればこそ、かのお方様はそなた様を産みし
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