運命の鐘が鳴ったので全力で恋をした

第78話 ホワイトデー①

七菜美からチョコを貰ってもう１ヶ月、つまり、ホワイトデーの日が明日にまで近づいてきたのだ。

何を返せばいいんだ……

いっつも母さんや彩美にはスーパーでテキトーに買ったので返してるんだが、それでいいのか……

こういう時は、クークル先生に頼むか。

俺はスマホを手に取り、『ホワイトデーのお返し』と、調べた。

調べたところ、返すものによっていろいろ込める思いが違ってくるだとか……

む、難しいな……

『バームクーヘン:幸せがいつまでも続きますように』

これだ！

今日は部活が無かったので、1人でギガタウンに行ってバームクーヘンを買ってきた。

あれ？そもそも七菜美バームクーヘン嫌いじゃないよな……

直接聞いたらバレそうだし、楓に聞いて貰うか……

＊＊＊

「ピロン」

突然スマホが鳴り、体がピクリと跳ねた。

誰だろ？秋大かな？

スマホを開くと、春樹からだった……

どうしたんだろ？

春樹からのメッセージを見る。

『七菜美ってバームクーヘン好きかな？』

いや、知らんわ！

いや、私に聞くって事はそういう事か……

確かバームクーヘンって幸せがいつまでも続きますように……みたいなのだっけ？

春樹もそういうの気にするようになったか〜

じゃあ、私がどうにか聞くしかないね〜

『七菜美ちゃんってバームクーヘン好きなの〜？』

ストレート過ぎたな……

まあいっか！

返信はすぐに来た。

『大好きだよ〜！急にどうしたの？』

どう言おうか……

リビングでついていたテレビでは、ちょうど星座占いがやっていた。

これだ！

『今日の占いのラッキーパーソンがバームクーヘンが好きな人だったからどうかな〜って思って笑』

我ながら完璧だ！

『なるほどね〜占い結構見るの？』

そこから七菜美ちゃんとしばらくメッセージで話していた。

あ……春樹に言ってなかった……

ホントの目的なの忘れてたよ……

『七菜美ちゃんバームクーヘン大好きだって〜春樹が贈り物の意味？みたいなの知ってるとはね〜笑』

『聞いてくれてありがとな！

クークル先生に聞いたんだけどね笑』

やっぱりか〜い！

でも七菜美ちゃんのことほんとに大切にしてるんだな……

七菜美ちゃんの友達として凄く嬉しいし、春樹にそういう人ができてなんだか安心したな……

＊＊＊

大好きなら良かった……

楓のことだからどうにか分からないように言ってくれてるだろう……

後は明日どう渡そっかな……

明日は部活がない。

多分七菜美もだ。

用事がなければいいんだけど……

『七菜美明日用事あるか？』

単刀直入に聞いてみた。

返事は割と早く返ってきた。

『何もないよ〜どうしたの？』

なんて答えるべきだ？

テストも近づいてきてるし勉強に誘うか……

『明日一緒に勉強しない？図書館とかで』

『いいよ〜何時からにする？』

『何時がいい？』

『じゃあ、1時くらいでいいかな？』

『了解！』

よし、これで明日七菜美に会うことはできる！

なんの服着ようかな……

～あとがき～

読んでくださりありがとうございます！

次回でホワイトデー編完結です！

お楽しみに！