第11話 別れた後(七菜美視点)

今井君と別れ、1人で歩いて帰っていた。

私の家は、学校から歩いて大体30分、バスで10分といったところにある。

学校の近くと、家の近くを繋ぐバスはあるのだが、お金がかかるし面倒なので、基本は歩いて帰っている。


しばらく歩くと、家に着いた。

ドアを開けると、リビングから

「おかえりー」

という声が2人分聞こえたので、

「ただいまー」

と返し、素早く手洗いうがいを済ませて自分の部屋に入った。


寝巻きや下着を手に取り、部屋をでて、すぐに風呂に入った。

髪の毛と身体を洗い、浴槽に浸かる。


そして私は、いまだに信じられない現実を振り返る。

今井君と同じ高校だった事

今井君と同じクラスだった事

今井君が隣の席である事

今井君と連絡先交換をした事

今井君と一緒に勉強した事


ありえないようなことばかり起こり、かなり頭がパンクしそうだ。


実は今井君とは小学5年生の時に出会っている。

当時の私は髪の毛ボサボサで、地味オーラ全開だった。

その事があり、意地の悪い男女からはいじめのような事をされていた。


そんな私が困っている時、今井君は全く知らない私のことを助けてくれた。

その時彼の優しい心に惚れてしまった。


そこから私は自分磨きを始めた。

「また彼に会えるかもしれない!」そんな夢みたいなことを考えながら……

まずは髪の毛を切り、ケアをしっかりするようにした。

そして、テニスを初めて身体を引き締めた。


私の容姿はみるみる変わっていった。

自分で言うのはあれだが、周りの女子よりは可愛い感じがしていた。

そのため多くの男子に告白された。

けれどその男子たちはみんな容姿がいいから、という理由だった。


容姿関係なく、誰にでも優しい彼のことを私はずっと好きだった。


高校が違えば、この恋は諦めよう。そう思っていた。

しかし彼とまた出会った。

彼の幼なじみとも友達になれたし、ほんとに幸せだ。


この奇跡は絶対逃したくない。


絶対に私を好きにさせてみせる!


そう意気込み、ブクブクと潜っていった……





~あとがき~

初めて2人の視点から書いてみました!

10、11は2人の直接の接触はなかったですが、次からまたちゃんとあるのでお楽しみに!

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