第10話 別れた後(春樹視点)

坂石さんと別れ、1人帰り道を帰っていた。

近道である細い路地裏を歩いていると、小さな泣いてる男の子がいた。


「どうしたの?お母さんかお父さんは?」


優しくそう声をかけると、男の子はグズグズと涙と鼻水を出しながら答えてくれた。


「公園で鬼ごっこしてて、ちょっと外に出たらこんなとこに来たの。お母さんーどごぉぉー」


確かに近くに公園はあるが、よくこんな道に入ってきたもんだ。

俺はとりあえず「鼻水かみな?」と、ティッシュをあげ、公園に連れて行くことにした。

小さい子が好きなお面ライダーの話をしたら、楽しそうに話してくれて、涙もすっかり止んだ。


少し歩くと、公園が見えてきた。

その公園には、お母さんらしき人が涙目で周りをキョロキョロしていた。

男の子はお母さんを見つけ、走って駆け寄った。

その後お母さんには、物凄く感謝された……


俺はよくこういう事をやっていて、「お人好し」だとかよく言われる。

だが俺はそうは思わない。

昔から父に、「困っている人がいたら必ず助けろ」そう言われていたからだ。

「ありがとう」と感謝されるのは、何となく嬉しいから別に自分に多少損があっても、いいやと思う。


迷子の子を助けることは、だいぶ前に1回あった気がする。

その子がどんな子だったかは、全く思い出せないのだが、迷子であり、その子の目的地まで一緒に行ったのは確かなはずなんだよな……


家に着き、手洗いうがいを済ませたらすぐに自分の部屋に入りベッドに飛び込む。

そして今日1日を振り返る。


4人で楽しくご飯を食べれた。

坂石さんと勉強できた。

今日も坂石さん可愛かったな……

ふと別れ際の坂石さんの姿が浮かんでくる。

夕日に照らさせ、いつも以上に美しかった。

そんな事を考えては、赤面してマクラに顔をうずめたのだった……





~あとがき~

10話に到達しました!

そして100PV達成ありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る