第454話 動きの変化
やはり敵の数はかなり多く、空から爆撃して倒しても一向に減る気配はない。さらに対空射撃は激しくなる一方で、ダメージは少ないと言っても装甲が心配になるほど被弾していた。
「ナナミ、そっちは大丈夫か」
異様な気配の敵部隊と戦闘したナナミの状況を確認する。ナナミは元気な声で答えた。
「大丈夫、確かに強かったけど、なんとか退けたよ」
「随分とパワーアップしてるようだな」
「私だけじゃないよ、留守番している間に、無双鉄騎団はみんなすっごく強くなってるんだから」
仲間のパワーアップは素直に嬉しい話だ。再会してそれを見るのも楽しみになった。
ナナミと会話中にも、敵からの攻撃は続く。低空爆撃での攻撃では敵の数が多すぎて埒が明かない。いっそもう一回、アローレインと四元素砲の波状攻撃をしようかとも思ったけど、フェリに止められる。
「長距離飛行や連戦による消耗は大きく、現状での四元素砲の使用はリスクが高いです。この先、まだまだ戦闘状態が続く可能性が高いですので力の温存を推奨します」
確かに敵はまだまだいる。この先どうなるかわからないので、無茶はできないな。もう少し我慢してちみちみ敵を倒すしかないようだ。
そう決めて敵軍を見直した時、また動きがあるのに気が付いた。さっきの
ピンクの魔導機と似た気配……そんな妙な雰囲気のある魔導機が飛び出してきた。
大きな翼を広げ飛行する姿は、どこかで見たような気がした。ちょっと考えて、メルタリアでの争いでヴィクトゥルフに乗って戦った飛行する魔導機を思い出す。
でも似ているけど、ちょっと違うか……同じ製作者だとかだと似てもおかしくないしな。
そんな強敵の雰囲気を醸し出している飛行魔導機が、さっきのピンクの魔導機と合流して、またもやナナミの守る峠入り口へと向かっていた。どうやら一人で勝てなかったから、助力を得てヴァジュラ改を倒すつもりのようだ。強敵二人はさすがにヤバイかもしれない。
「ナナミ、さっき攻撃していたピンクの魔導機が、別の強そうな魔導機と一緒にそっちに向かった」
「えっ! やだな……ピンクの魔導機だけでも強かったよ」
「わかってる。一人じゃ辛いかもしれないから俺もそっちにいく。ファルマ、すまないが、しばらくは上空からの攻撃を任せる」
「うん、わかった。こっちは大丈夫だから勇太はナナミの方をお願い」
すぐにナナミのところへと向かおうとしたのだが、思わぬ邪魔が入った。飛行部隊の生き残りがこのタイミングでアルレオ弐に襲い掛かって来た。さらに地上からの攻撃も激しさを増し、ちょっとした足止めを食らう。何か上からの命令が変わったのか、さっきまでと違う敵部隊の必死さが伝わってくる。
仕方ない、さっさと片付けるか……。俺は剣を構えて、戦いを覚悟した。
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