第452話 鎌と斧/ナナミ
高く跳躍してアースレクイエムを回避したピンクの魔導機は、そのままヴァジュラ改に向かって降りてきた。そして落下の力を利用して、手に持った大きな鎌を振り下ろし攻撃してくる。大技後で、かなり隙があったけど、なんとかシールドでそれを防ぐ。
シールドで直撃は防げたけど、かなりの衝撃がシールドを持つ左腕に伝わる。バランスを崩したところへピンクの魔導機の蹴りが飛んでくる。倒れまいと踏ん張るが、さらに鎌で叩かれ、よろめきさがる。
ピンクの魔導機はスリムな見た目通り速かった。スピードだけならもしかしたらヴァジュラ改より速いかもしれない。だけど、負ける気はぜんぜんしていない。
ピンクの魔導機は左右に移動しながら近づき鎌で攻撃してくる。攻撃はシールドで防ぐが、こちらが反撃しようとすると離れて逃げるので、一方的に攻められる。このままではそのうちシールドを掻い潜られ、直撃を受けるかもしれない。
次の接近で……ナナミはタイミングを計る。反撃していては間に合わない、まずはあの素早い動きを止めることにした。
接近のタイミングで、地面を踏みしめる。そしてファストグラビティの魔導撃を発動する。高密度の重力波が、ヴァジュラ改の周りに広がる。相手を揺らすほどの威力しかない技だけど、油断している相手を止めるには十分の効果を発揮した。高速で近づいてきたピンクの魔導機は、重力波に足をとられて転倒する。
転倒して動きの止まったピンクの魔導機との間合いを一気につめて接近すると、ガイアラブリュスを振り下ろした。身軽なピンクの魔導機はしぶとかった。直撃すると思ったその一撃を、無理な体制で体を捻り避ける。ガイアラブリュスはピンクの魔導機の真横の地面を抉るように突き刺さった。
ピンクの魔導機はゴロゴロと転がり、ヴァジュラ改から離れようとする。それを追いかかけて、次の一撃を振り下ろす。その一撃をピンクの魔導機は鎌で受け止めた。だけど力負けしたようで、鎌は弾かれ、ガイアラブリュスはピンクの魔導機の肩に命中する。ダメージを受けたピンクの魔導機は逃げるよにヴァジュラ改と距離を取る。そして慌てたように鎌を構えた。
一連の攻防で、ピンクの魔導機のライダーの意識が変わったように思える。何か動揺しているようにすら感じる。さっきまでの軽快な動きは鳴りを潜め慎重になった。こうなると最大の長所だと思われるスピードも生かせず、急激に戦闘力が下がったように見えた。
ピンクの魔導機のライダーも劣勢を悟ったようで、じわりじわりと後退をはじめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます