第43話 パマーダ、暴れ回る

ミョルニルの一撃はスケルトンの頭蓋骨にクリーンヒットした。

頭蓋骨には大きな穴が開き、そのままの勢いであばらや腰骨までバキバキバキと折っていった。

「次!」

しかしオレが倒したはずのスケルトンは、バラバラに崩れ落ちた骨が浮き上がり、再び元の形に組み直されていった。

振り返るとゲネオスも大苦戦していた。剣を振るっても振るっても敵を倒せない。

そのうちにスケルトンからチマチマと細かいダメージを受け始めた。


そのときパマーダがトライデントを振り回しながら駆け抜けていった。

「危ない!」

オレとゲネオスはリーチの長い武器に巻き込まれないよう慌てて飛び退いた。

パマーダの攻撃自体はかなり効いていた。

トライデントが不規則な動きで振り回される度、スケルトンの骨が吹き飛ばされていったが、地面に落ちた骨が浮き上がることはなかった。


目をらしてよく見ると、三つまたの刃が青白く輝いている。

「パマーダ、どうやったらこいつらにダメージを与えられるんだ?」

オレが大声で訊くと、

「ゴメン、忘れてた。アンデッドを倒せるようにしてあげるから援護して」

と返してきた。

オレとゲネオスは大慌てで決死の侵入を試み、パマーダのいるところまで進んだ。

そして盾を構え、パマーダの前後に鉄壁の構えを作った。

武器を聖別セイクリッド・ウェポン! 3倍掛け!」

パマーダが呪文を唱えると、ゲネオスの剣、オレのグラディウス、それにミョルニルまでもが、清純な光に包まれてボウッと浮き上がった。

この状態でスケルトンを倒すと、もう復活することはなかった。


スケルトンの数は多いが、オレ達は着実に敵の数を減らしていった。

遂にレイスのところまで来ると、パマーダが別の呪文を唱えた。

眠れ不死の者ターン・アンデッド!」

レイスはパマーダの指先からほとばしる光をまともに浴びた。

初めは苦しそうにもだえていたが、やがて覚悟を決めたように、感謝の表情を浮かべて(オレにはそう見えた)、消滅した。

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