第42話 ホネホネ・アンロック

レイスの怒りが高まるにつれ、鍵が一本一本鍵束から外れていった。

外れた鍵は地面に落ちるのではなく、そのまま宙に浮かんで中央の骸骨の周りにとどまっている。

全ての鍵が鍵束から外れると、やがて漕ぎ手のいる方向に飛んで行った。

ガチャン! カチリ!

漕ぎ手の足枷あしかせに付いた鍵穴に鍵が飛び込んでいき、次々と足枷を解錠していった。

「お前たち、プエルトの街に帰りたければ、そいつらを殺せ!」

レイスがそう告げると、骸骨の漕ぎ手はスケルトンとなって、オレ達に襲いかかってきた。


「ちょっと待ってくれ。るならその男と船長だろ。オレ達は無関係だ」

そう抗議するオレに対し、パマーダがかぶせ込んできた。

「皆殺しにするよ! ここにいるやつ全部!」

パマーダの強い言葉に全員がピリッと緊迫した。

そこへゲネオスが反論した。

「パマーダ、それは無理だ。こいつらもう死んでる」

それはちょっと追及ポイントが違っている気がしたが、いずれにせよ意味のない発言であった。既にパマーダの目は座っている。

「死んでなお働かせ続けるなんて……。しかも望郷ぼうきょうの思いを利用して……。この世への未練を断ち切って、みんな成仏させてあげましょう。ふふふふ」

「どうすればいい!」

オレは既に盾でスケルトンの攻撃を防いでおり、モンスターがパーティーの後衛こうえいまで行かないよう必死で食い止めていた。

「やることは同じ。みんな叩き潰せばいいのよ!」

「分かった!」とゲネオス。

「アイアイサー!」とオレ。

オレはミョルニルを取り出して、目の前にいたスケルトン目がけて撃ち下ろした。

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