オレ達は目的地の倉庫に到着した。

品物の搬入が終わったのか、それとも今日は搬入自体がないのか、倉庫の周りは静まりかえっていた。

モンスターがどれくらい潜（ひそ）んでいるか分からないので、いきなり正面から乗り込むことはできない。

オレ達はまず倉庫の周りを偵察（ていさつ）することにした。

品物の搬入口はぴっちりと閉ざされていたが、裏に回ると天井近くに空いた窓があり、僅（わず）かに光が漏れていた。

オレはゲネオスに目配せし、少ししゃがんでからゲネオスの足をオレの肩に置かせた。

立ち上がると、ゲネオスは丁度小さな窓から中を覗（のぞ）くことができた。

しばらく中を探った後、ゲネオスが合図を送ってきた。オレはもう一度しゃがんでゲネオスを地面に下ろした。

「手前にカレー粉を保管する棚があった。コシネロが頼んでいたカレー粉もあった」

ゲネオスがそう説明した。

「その奥で人影が見えた。しかし妙なのは一人しかいないのに誰かと話しているようだった。声が小さくて何を言っているのかは分からない」

「ならばワシがモノがよく聞こえる魔法をかけてやろう」

マスキロはそう言うと、スタッフを小さな窓に向けて振った。

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