第67話 亡霊洞窟2

アスカはドワーフの血を引いていて、身長が伸びないらしく、身長の事を言われるのが大嫌いで、身長を見て子供扱いされると怒りだすそうだ。


ああ、そう言う事ね。ちょっと反省。


結局、アスカに押しきられて、『亡霊洞窟』を案内する事になった。


まあ、報酬はガッチリ貰う事にしたけどね。


戦闘は全てアスカが行うので、見てるだけで良いと言ってたけど、別に戦闘しても負ける気はしないので、戦っても問題は無い。


「早く行くよー!」


こいつ元気だなぁ、と思いながら。


「はいはい。」


アスカに付いていく。


俺にダンジョンの案内を頼んだけど、こいつダンジョンの場所は知ってるのか?


場所ぐらいは知ってるか……。


「直ぐ終わらせて帰るんだからぁ」

と言って、アスカは走り出す。


速い!


俺の足では、全く追い付け無いので、クロドに乗せて貰った。


「早く早く! ……え? クロちゃんに乗れるの? ずるいぃ!」


「クロドは俺の眷属だからね。狡くも何とも無いでしょ」


「今度乗せてよ!」

上目遣いで聞いて来るアスカ。


「どうする?」

クロドに聞くと。


「断るワン」

即答だ。


「だって」

アスカの顔を見る。


「ええええ!良いじゃない!乗せて乗せて」

駄々をこねるアスカ。


「クロドが駄目っていってるから、駄目だな」


「うー、ケチぃ!」

プンスカしながらまた走り出す。


ダンジョン『亡霊洞窟』に着いた。


中に入って空間把握を行う。

「当然だけどこの階にはデュラハーンはいないね。」


「ふぅん、モンスターは気にしないで、最短距離で行ってね」


「分かった。じゃあ、先導するよ、着いてきて」


「ワン」

クロドが俺を乗せて走り出す。


クロドが少しゆっくりめに走っていたら、アスカがクロドの隣に並んだ。


「もっとスピード出しても良いよ。こんな場所で野営する気無いからね!」


ゆっくりって言っても、普通の人が走る速度を超えてるんだけどね。


「はいはい、クロド、スピード上げて良いって」


「分かったワン」


クロドはグンッとスピードを上げた、いつものスピードになったが、アスカは余裕で着いてきた。


「前方にスケルトン3体ワン」

クロドが言うと、スッとアスカが飛び出した。


「任せて!」


いつの間にか背中の大剣を抜いていて、横に一閃。


3体のスケルトン達の太股?から下が切断されて崩れた。


「止めは刺さないの?」

まだ蠢いているスケルトン達を見て、アスカに尋ねる。


「急ぐからそのままよ」


このままにすると復活しちゃうぞ。


「魔石は取らないの?」


「そんなの良いから、早く行こうよ」


「じゃあ、魔石は俺が貰っちゃうね」


と言って、スケルトン達の魔石を亜空間に収納した。


「はぁ、ぐずぐずしないでよ!」


「え?もう魔石はもうとったけど?」


「ええええええ! 速過ぎよぉ!」


アスカがスケルトン達を見ると、スケルトン達の死骸は崩れ落ちていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る