第14話 魔獣の窟
俺はブラックドッグのクロドの背中に乗り、『魔獣の
このダンジョンは、上層は弱いモンスターが多いので、初級者も自由に出入り出来る。
その為、見張りの兵士がいるが出入りはスルーだ。
兵士はダンジョンを見張っている。
スタンピードが発生しない様に、発生する予兆が無いか見張っているのだ。
冒険者や兵士はクロドを見ると、一瞬身構え戦闘態勢を取るが、その背に乗った俺と従魔の証であるリボンを見て安堵する。
「こんにちは!お勤めご苦労様です」
俺は兵士に手を振って脇を進む。
「随分でかい従魔だなぁ」
兵士が俺に声を掛けると。
「それ程でもないワン」
クロドが応えた。
「え!喋るのか!」
「儂は話せるワン」
「すげぇなぁ」
俺は苦笑いでやり過ごす。
なんて会話をしながらダンジョンの中に入っていく俺達。
「クロド、上層は旨いモンスターはいないので、中層まで一気に進もうか」
「そうだな。儂も腹いっぱい食べたいワン」
俺はスキルの空間把握でダンジョン内を確認し、下に進む階段まで最短距離を指示しながら進む。
途中で行く手を遮るモンスター達も、出会う前からその位置を把握出来る為、奇襲にはならず瞬殺。
しかも途中から空間把握の能力が上がり、モンスターの身体の中も把握出来る様になったので、出会ったモンスターの魔石を、生きたまま亜空間に収納出来る為、傷みのない最上級の素材として採取出来るのだ。
空間魔法最強だね。
ガンガンレベルが上がっていく。
あ!コボルトの群れに囲まれた冒険者達を発見した。
5人パーティーで2人が怪我しており、3人で庇いながら戦っているけど、どう見ても限界だな。
「クロド、あの人達を助けるよ!」
「了解だワン!」
転んだ冒険者が、今まさにコボルトのナイフに刺されようとしていた。
「うああああああ!」
ドゴッ!!
そのコボルトの頭上にクロドが飛び掛かった。
そして、コボルトを踏み潰す。
「こんにちは!助けが必要?」
「え!」
冒険者が目を開けると、ブラックドッグとその上に乗る男が見えて、唖然とする。
仲間の冒険者が俺達を見て叫んだ。
「助けてくれえええええ!」
「OK、任せて。クロド!」
「了解だワン!」
「ゥワオオオオオオオオン!!!」
クロドの遠吠えは敵を威圧する。
固まるコボルト達。
俺とクロドの無双が始まる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃の冒険者ギルド受付嬢メイは、昼を過ぎても買取代金を取りに来ない、ユウマの事を気にしていた。
偶々、別の用事で解体所に来たメイは、解体所のおやっさんとの会話で、ユウマが買取代金を、直接おやっさんから受け取った事を知る。
「何!Eランクの癖に受付を通さないで、代金を受け取るなんて何様ぁ!」
とプンスカしていた。
(そんな態度だから、避けられるんだよぉ。)と心で思うおやっさん。
一方『焔の剣』は、やっとの事で迷いながらも休憩所に辿り着き、泥のように眠っていた。
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