10/14(水) 小鳥遊知実④
………………
…………
……
「……というわけよ。そしてあたしたちもファンスタに行きたいです!!」
改めて、吉崎が片手をビシッとあげて胸を張る。
一緒に来ていた八代はというと眉間を揉みしだき、鈴見は顔面蒼白でゆらゆらと揺れていた。
「いろいろあったけど、ここらで虎蛇会との親睦を深めたいの!」
「……あたしは構わないが」
お。意外に凛々姉オトナ?
「もともとチュン太たちが企画した会だからね、あんたたちの意見に従うわ」
そう言うと、凛々姉が俺たちに主導権を渡した。
2年で顔を見合わせる。お前が決めろみたいな視線が俺に集中した。
ったく……。
「別にいいっすよ。でもあんまり大勢来られると、ちょっと責任が……」
「うんうん! ここの3人なら平気でしょ? いつがいいかしら♪」
吉崎は勝手にパイプ椅子に座って身を乗り出してきた。
のそりとスマホを出してスケジュールを確認し、凛々姉の方をちらりと見てから吉崎に告げる。
「10月25日の日曜かなって思ってるけど……」
「オッケー! 八代、鈴見、あなたたち予定は?」
「空いています」
「同じく」
八代も鈴見もいいのかよ。
「じゃあ凛々子、グループメッセ作ってくれる? 詳細はそちらで」
「ああ、わかった」
「よろしくね、チュン子ちゃん♡ 何着せようかしらうふふふ。楽しみにしてるわねー!」
「絶対に着ねえ!」
ぶんぶんと大手を振って、生徒会は出て行った。残った虎蛇のメンバーはみんなで顔を見合わせる。
「せ、生徒会の勢い圧倒的だったね〜」
「生徒会長っちがはしゃぐと中学生にしか見えなくてウケる〜!」
「ところでみなさん、盗聴器の回収ってされてました……?」
「「「「 あ!!!! 」」」」
3分後、慌てて戻ってきた八代によって、盗聴器はきちんと撤収された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます