拍手 078 百七十五話 「王都のエルフ達」の辺り

「新しい里の名前って、決まったんだっけ?」

「いや、まだだと思うぞ」

「そっかー。住人で決めて欲しいんだけどなあ」

「里の名前というか、普通は氏族の名が付くからなあ」

「そうなんだ。でも、新しい里は氏族、ごちゃ混ぜだよね?」

「そうなる」

「その場合、氏族の名前は付けられないんじゃない?」

「いや、いくつかの氏族で出来た里の場合、全ての氏族の名が付けられるんだ。一番長い里で、四つの氏族の名がついた里があったな」

「……まさか、あそこもそうなるっていうの?」

「……可能性は、ある」

「却下。呼びにくいのは困るから、何か呼びやすい名前を決めるように伝えて」

「わかった」


「ネルー、里の名前って、決まった?」

「決まったぞ! 全員一致で『ベルの里』に決めた」

「はあ!? 何それ!?」

「え……恩人の名をいただいた、いい名だと思うのだが……」

「却下!! 何が悲しくて里に自分の愛称を付けられなきゃならないのよ!」

「えー? みんな、これがいいって言ったのに……」

「他に何か……これからの未来に向けるような名前にしようよ。人の名前でなく! あ、エルフは何か神様祀ってたりしない? その神様の名前とか」

「神の名をみだりに使う事は許されない」

「真面目か。じゃあ、過去の偉人の名前とか……あ! 星の名前とかどう?」

「……里に行って、みんなに聞いてくる」

「よろしく!」


 という訳で、新しい里にはまだ名前がありません。そのうちつけると思います。

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