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「はぁ、思っていた以上に片付けに手古摺りそうだ」
何故ならやってもやっても片付いたようには見えず、本当に自分は働いているのだろうかと自身で疑いたくなる始末。それほどに
どこよりも真っ先に片付けを始めたのは台所。
これから毎日の生活で
洗濯機が置いてある脱衣所は
その他の空間にしても
片付ける荷物は無いに等しく、やらなければならないのは大量に積み重ねられた洗濯物であり、それは数日かけて減らしていけばいい話。
だが、台所と居間のスペースはそうは行かなかった。
初めはこれくらいならと思っていたが片付け始めて数分で厄介なことになったと気持ちが暗くなる。
台所の入り口に立ち、見回した時は荷物が多く見えるけれど箱が積み上げられているだけで大したことはないと思っていた。
キッチンの流しやコンロ周りには荷物は少ないし、冷蔵庫の前も少々あるぐらいで料理に支障が無い様には一応してある。
あとは、自分の使いやすいように、そして衛生的にとにかく汚く見えない様に片付けようと始めた。
しかしその考えは甘く、ほかの部分に積み上げられたダンボール箱の内、数十個動かして見えてきた、先ほどまでは見えていなかった部分の汚さが予想をはるかに超えていた。
まず、厄介なのはパズルでもするように上手く積み重ねられたダンボール箱の壁。
壁一面に積み上げられているそれは数もさることながら、上手くどけていかねばバランスを崩して全て倒れてきそうな勢い。
一体どれだけ積み重なっているのか、またどれだけ動かせば部屋本来の壁にたどり着くのか。
「一体何が入っているんだろう?」
箱には何が入っているのかというメモ書きのようなものすら無く、中身は開けて見なければ一体何が入っているのか皆目わからない。
当然、中身がわからないのだから片付けるにしてもどうすればいいのかがわからない。
「こんなにぴっちり綺麗に箱を積み上げる几帳面さがあるならメモ書きぐらいすればいいのに」
文句を言いながらも、とにかく掃除の前に出来るだけダンボール箱の壁を崩してこの部屋を本来の広さにしなければと、積み上げられている箱の中身を確認する為手近な箱に手を伸ばした。
瞬間、部屋の電話が鳴り響く。
出ていいものなのか迷いながらも恐る恐る受話器を取れば
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