第二次PTA戦争
第26話 生徒会解散
後日、生徒会メンバーはPTA本部に召集され、解雇通知受けとる。
生徒会メンバーはそんなもの承諾できるはずがなかった。それにその条件として学校卒業。認めろという方が無理である。
「会長。PTAに意義を申し立てに行きましょう。生徒の3分の2以上の票数を得れれば、解雇はしなくてすむし、学校卒業だって……」
副会長の意見は確かにいい意見だ。だがダメだった。
「副会長。私には……月島と木原の卒業を取り消すだけで精一杯なんですよ……。これ以上あいつらに逆らえば、月島と木原も止めざるをえない 」
生徒会長は神聖な生徒会室と自分で言っていたのに、生徒会室にある机を思いっきり叩いた。
「副会長。書記さん。お茶入れ係。秘書。会計。執行員。庶務。広報。目良。生徒会御庭番の皆。これにて、第7期生徒会は終わりだ」
生徒会は虚しくも、学校という置物に存在するPTAと教師会という二大勢力から、木原と月島を除く生徒会メンバーは解雇され、卒業となった。
そしてその日から、神乃学園は全寮制となった。
生徒会が解散となってから1週間が過ぎた。
「月島さん。どうしてそんなに元気無いんだ?」
月島は生徒会メンバーが卒業させられたことを、まだ受け止められてなかった。
「ねえ神崎くん。生徒会が解散になったこと、知ってるよね」
「うん。あれは驚いた」
「けど解散させられただけじゃなく、卒業までさせたのには意味が無いはずなんだよ。何で私は……あいつらを助けられなかった?」
月島は教室の机を思いっきり叩く。月島はその後悔を晴らすことはできなかった。
「月島さん……」
神崎も同様に、後悔を抱いていた。
どうして俺は、生徒会を護ることができなかった?生徒会サバゲーの時、俺たちが勝たなきゃあいつらは解散させられてなかったかもしれないのに……。俺は……。
まだ高校1年生である彼らには、これらのことはあまりにも受け入れづらく、苦しいものだった。
学校が終わると、神崎と月島はいつも通りに1年生のホームハウスに行く。
全寮制となった彼らには、今は学校の敷地内にあるこの白い建物だけが、住み家となっているのだから。
神崎と月島は諦めていた。生徒会を取り戻すという大きなことは起こせないと分かっていた。
だから、戦うのは止めていた。
「あんたら。1週間経っても、戦いを挑まないつもり?」
木原咲良だけは、PTAや教師会などというくだらない組織に諦めなど覚えていなかった。
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