第15話 正面衝突

 1年生の生き残りは2人の委員長と20人ほどの生徒。

 3年生の生き残りは5人の委員長と50人ほどの生徒。


 1年生は圧倒的に不利だった。だが1年生には秘策があった。


「雨宮委員長。確かにそのような設備は存在しました」


「そうか。というか赤宮あかみや、2年生と戦闘にならなかったか?」


「いえ。特に」


 この男こそ、2年生を1人で全滅させた青い目をした少年である。だが彼はそれを隠す。目立ちたくないから。


「では作戦はさっき言った通りに実行する。失敗すれば1年生は敗北する。こんなところで負けられぬ。我らは神をも倒す術を持っているのだから。さあ進め。さあ抗え。世界は、我々のものだ」


 雨宮の中二病的な発言が連発する。だがこの状況では誰もが勇気をもらえる。

 雨宮はこの時、1年生の生き残りが自分だけだと思っていた。だが、ある者が生きていることを、まだ誰も知らない。


 その頃、3年生は2年生のフロアである3階に進んだ。だが2年生は全滅している。


七海ななみ委員長。既に2年生が全滅しております」


 3年生の1人が、驚きながら七海に状況を報告した。七海は少しワクワクしていた。

 七海は黄色い巻き髪を少しいじり、北井に胸を膨らませる。


「他の学年の死体はあったか?」


「いえ」


「ふっ。やっと面白くなってきたか」


 七海は薄気味悪く笑った。彼女はやっと楽しめる相手を見つけたから。


 そこに1年生の集団が襲いかかる。


「進めえぇぇ」


 雨宮の掛け声とともに、ペイント弾が3年生を襲う。

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