第199話エメラルド王妃とメイドソシア(改)
私はエメラルド陛下にお仕えする専属メイドのソシアです。
年に一度デルタポール国で一番と言われる、ファッションショップの大イベント、新作のファッションショーを見るためと、新作の試着購入その他アクセサリーの購入のため、陛下と王女様と共に馬車2台に分乗してペントランの町に向かっています。
もちろん王族第一姫騎士隊の精鋭20名を伴っての移動です。
毎年恒例となっての移動のため事前に街道も整備点検され安全は十分考慮されていました。
王都を出て7日目、私たちは陛下の従妹が治めるクライス公爵領領都ホルンに到着し、そこで少し休養しファッションショップパトラのあるペントランのに向かいました。
ペントランまであと一日の距離に迫ったある山岳部に差し掛かったところで、私達の馬車は山賊に襲われました。
この時私は少しも焦ってはいませんでした。なぜなら姫騎士隊隊長と副隊長の二人はデルタポール国№1№2の実力を誇る剣聖・剣姫のナンバーズ騎士だからです。
この二人がいるだけで山賊が100人出て来ても全く問題がないからです。
過去に何度か襲われたことがありましたが、全て捕縛されています。
ですから今回も不安はありませんでした。
事実十数名もの山賊を二人は苦も無く倒しています。
ところが、今回は魔道具を使った攻撃で、姫騎士隊の動きが変わりました。
麻痺系の煙弾でしょうか、私御者席でその煙を吸い地面に落ち、山賊に腕と足を切られました。
麻痺のせいでしょうか、斬られた腕と足は私の身体から離れていましたが痛みはありませんでした。
剣聖フランシス様、剣姫ハリス様はすぐに対策されましたが、次々投げ込まれた煙弾により山賊に捕らわれてしまいました。
☆・☆・
襲撃者の男は二人の剣姫をニヤニヤと見つめ語る
「ずいぶん仲間を減らしてくれましたね。
王国ナンバーズのハリス剣姫!後で十分いたぶってさしあげますから」
「………」
「おやおやそんな目をされても無駄ですよ。あなた方はこれから奴隷として、バルサス教皇国に送られるのです」
「おやここにも王国ナンバーの方がいますね。フランシス剣聖様、馬車の主王妃と王女を守れなくてさぞ悔しいでしょ。
これからは剣姫と一緒にバルサス教皇国で奴隷として身体で奉仕してくださいフフフ」
襲撃者は馬車に乗ってる者に向かって告げる。
「さて出て来ていただけますか?エメラルド王妃、シェリル王女、ミシェラ王女」
ガチャ
エメラルド殿下は男達をにらみながらいい放ちました。
「私達が王族と知っての行動ですか!誰の指示です!言いなさい!」
男達はニヤニヤしながら剣を持ち王妃達に近寄る
「どうでもいいでしょ!我々はここに王妃一向が通るから好きにせよと言われただけですよ」
「よるな!汚い手で娘達に触るな!やめなさい!」
ガシッ
ガチャン!
「ぐぅーー!なっ!何を…」
ニヤニヤ
「これは隷属の腕輪ですよ!腕輪から隷属する強い呪いがあなたの身体を支配します。
これは奴隷商が使う奴隷紋とは全く異なり、外すには呪いを解呪できる、強力な聖属性魔法を扱える方しか外せません。
この世界でこれを外せるだけの方は果しているでしょうか?
私が知る限りは、かの大教会の主神神官でも外すことができないのを確認してますから、誰も外せないですよ。フフフ 」
男たちは闇魔道具と言われる隷属の腕輪を使い王妃様、王女様に腕輪をはめました。
私は何もできずただ見てるだけでした。剣聖フランシス様も捕縛され、もう絶望しかありませんでした。
陛下にはめられた腕輪は、解呪できるものがいないと、男たちは言っていました。
この国の王妃、王女様が隷属されるという絶望、デルタポール国はこれからどうなるのでしょうか?
これは誰かに仕組まれたことなのでしょうか?
誰でもいいから王妃様達だけでもお救いください・・
どうやら私出血がひどく意識が朦朧としてきました。
私は助からないのはわかっています、せめて王妃様達だけでも・・・
すると目の前で信じられないことが起こっています。
男たちが突然倒れ焦りだしました。
私は夢でも見てるのでしょうか?
「「「痛っ!」」」」
男達はいきなり攻撃され慌てています。
「なんだ!どこからだ!」
「くそ!痺れてきやがった!麻痺針か!」
山賊の男が叫んでいます
「いました!あの岩の上です!」
私は言われる方向を見ました。
確かにいました。
フードをかぶっています
「なんだ!小さいぞ!小人族か!フード被っててよくわからん」
デブの男は残りの山賊達に指示を出す
「おい!捕まえて来い!絶対逃がすな!」
フードをかぶった方は一言呟いた後山賊に撃を始めました。
「こいつら山賊ゴミ!死んじゃえ!」
ヒュン
山賊達は次々放たれる攻撃に倒れて行く
更に小さい子供は岩から飛び降りて走り出し残ってる山賊に魔法を放つています
タッタッタ…
小さい子どもは素早く動きながら次々魔法を放つていきます
「風刃!」
ブオーン
ザシュ!
ギャー!
次々倒されていく山賊達
まだ残ってる山賊達は、フードの子供が近づくと男たちは集団で攻撃を仕掛けました。
弓矢に尖った鉄ジリ等次々と子供のに向かって飛んで行きます。
フードの子供はそれらをよけながら、集団の山賊達めがけて魔力を練り込み凝縮した大きな水の玉の魔法を放ちました!
この子は水と風の魔法2属性も使っています。
この世界では複数属性を使える方はいないと聞いています。
ほんと凄い子供です。
フードの子供が短く魔法を唱える
ま
「ジェルボール!」
巨大な水の玉が生き残ってる山賊を覆います。
ドップン
20人以上の男達が水玉の中でもがき苦しんでいます
ガボガボガボガボガボ……
ゴフッゴフッゴフッゴフッゴフッ……
凄いです。山賊を覆っている水玉は壊れず形を維持したままです。
「ふん!溺れて死んじゃえ!」
凄い・・・
あんなに小さい子供が、圧倒して倒してる。夢を見てるみたい・・あの子全然怯まない。
それに見たこともない武器で攻撃してる
山賊のリーダーが私達の側に来ます。
「おい!ちび!それ以上動くな!仲間をよくも…くそが!壊滅じゃねえか!」
リーダーは叫びます。
「武器を捨てろ!」
子供は反論します。
「ふん!べぇーだ!チビじゃないから!」
あの子男たちに腰に装備してたダガーを見せてゆっくりと投げると同時に、超素早く弾を3個同時に全然違う方向に発射?凄い・・
スパパパ
「ガキが何かしたみたいだぞ!」
「見たか?」
「いや見えなかった」
「こっちには人質がいる離れるなよあのガキ得体が知れねぇ」
ドスドスドス
ほわぁ~
あれなんか白い煙が・・これって眠くなる煙・・
私は痛みで眠くなく山賊たちは全員眠らされてました。
私はフードの子供がどうするのかずっと見てました。
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