源氏車、燃ゆる。

作者 田所米子

それはきっと、もっとも華麗で禍々しい復讐。

  • ★★★ Excellent!!!

没落した令嬢+成金との縁談=悲劇、と相場が決まっているようです……。

本作も、没落した家の令嬢・朝子はは没落した実家を救うため、ヒキガエルのような醜い男の成金に嫁がされようとしていました。当初、彼女も、涙を流して縁談を拒絶していましたが……。

ところが、本作の主人公は「賢い女」。勉強ができる、ではなくて、才知に長け悪辣な策謀を巡らす、刺激的かつキュートな美少女です。……読みたくなってきたでしょう!そんな女子好きホイホイの作品です。

これは単なる嫁入りモノではありません。復讐の物語でもあります。
ネタバレになってしまうのでくわしくは言えませんが、主人公は、実のところ、「令嬢」とは程遠い生活を送ってきていました。
落ちぶれた実家、顔だけの放蕩好きの「うつけもの」といわれる父、少女をいじめ抜く「彼女」、そして、まだ未婚の女を弄ぶ成金。
そんな人々にたいする、復讐をとげようとする少女の、「これから三食事欠くことなく、人形のように着飾っていられるのなら。」は、哀しく、あでやかであり、妖艶であり、つややかでもあります。

人の心を手玉にとる悪女。悲しい過去を胸に抱えた小さな少女。
その二つが交錯した時、いとも華麗なる逆襲がはじまるのです。

あくどいけれど知的で最高にキュートな女子を味わいたい人にオススメです!

「賢い女子」が頭脳を駆使していままで自分を虐げていた人に優雅な一撃を加えていく、おどろおどろしくスリリングな物語。どうぞ、ご一読を。

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