26 年上の彼女とお風呂でイチャつく

「はぁ~。翔ちゃんの作るご飯は相変わらず美味しいなぁ」


 いつも通り、僕と真由美ちゃん、それから灯里さんの3人で夕ご飯を食べていた。


「けど、翔ちゃん」


「どうしたの?」


「また唐揚げとキャベツだなんて……どれだけお姉さんのおっぱいを成長させれば気が済むの?」


「ちょっと、お姉ちゃん。またエッチなことを言って。ダメでしょ?」


 いつものように、真由美ちゃんが灯里さんを叱る。


「灯里さんって、確か今Iカップなんだっけ」


 僕は言う。


「え? うん、そうだけど」


「じゃあ、Jカップになってよ」


「へっ?」


「そうしたら、僕はメチャクチャ興奮するから」


「なっ……」


 いつもは飄々としている灯里さんが、珍しく赤面してうろたえる。


「しょ、翔太くん?」


 真由美ちゃんも動揺していた。


「灯里さん。夕ご飯の後、一緒にお風呂に入ろうか」


「お、お風呂?」


「うん。ごめんね、真由美ちゃん。でも、真由美ちゃんとは帰り道で、イチャついたから良いよね?」


「しょ、翔太くん……」


「僕、二人のことはなるべく平等にしたいんだ。だから……ダメかな?」


「……わ、私は良いよ? お姉ちゃんは?」


「へっ? あ、う、うん。ありがたいことね」


「じゃあ、僕は先に風呂に入っているから。灯里さんは後で来てよ」


「しょ、翔ちゃんってば……お姉さんをドキドキさせるじゃない」


「生意気かな?」


「ううん。男らしくて素敵よ♡」


 灯里さんは笑って言う。


「ゆっくり食べて来て良いからね」


「ううん、速攻で行くから」


「ご自由にどうぞ」




      ◇




 ちゃぷ、と音がする。


「……はぁ。やっぱり、少しらしくなかったかなぁ」


 自分でちょっと俺サマっぽくしておきながら、軽く自己嫌悪を覚える。


「灯里さんが来る前に上がっちゃおうかな……いや、それはダメか」


 そんな風に自問自答していると、浴室の扉の向こうから、


「翔ちゃん、入るわよ」


「あ、うん」


 少しドキドキしていると、灯里さんが入って来た。


 いつもは下ろしている長い髪を結い上げているのが、また堪らない。


「どうしたの? お姉さんのことをジロジロ見ちゃって」


「いや、灯里さんってやっぱり美人だなって思って……黙っていれば」


「もう、最後の一言が余計なの♡」


 灯里さんは微笑んで言う。


「ほら、背中を流してあげるから。上がって、上がって」


「分かったよ」


 僕は灯里さんに急かされて風呂イスに座る。


「はい、じゃあ、愛しの翔ちゃんの背中を流しまーす」


「お願いします」


 僕は鏡越しに灯里さんを見て、ペコリとする。


「まずはスポンジでボディーソープを泡立てて……ゴシゴシと」


「あ、ちょうど良い力加減だよ、灯里さん」


「本当に?」


「うん」


「じゃあ、次はおっぱいで洗っちゃおうかな?」


「こらこら、いかがわしいお店じゃないんだから」


「うふふ♡ でも、もうあたしと翔ちゃんはたくさんエッチをしているんだから、良いでしょ?」


「全く、灯里さんは何でこんなにエロエロなんだ」


「翔ちゃんのせいだよ?」


「じゃあ、謝るよ」


「うふふ、楽しい♡」


 灯里さんは微笑んで言う。


「そうだ、翔ちゃん。一つだけ、聞いておきたいことがあるの」


「え、何かな?」


「えっと、その……あたしって、翔ちゃんの彼女ってことで良いのかな?」


 灯里さんは少し口ごもって言う。


「ほ、ほら、あの時。あたしのことも真由美と同じくらい大切って言ってくれたけど……ちゃんと翔ちゃんの彼女なのかな?」


 顔だけ振り向くと、灯里さんは少し不安げな顔をしている。


「灯里さん、あなたは僕の彼女です。大切な人です」


「翔ちゃん……」


 僕らは見つめ合い、そのままキスをした。


「んっ……はっ……」


 灯里さんは唇を離すと、吐息を弾ませていた。


「あたしは、真由美みたいにきれいじゃないし、翔ちゃん以外の男にも抱かれたことがある……ビッチなんだよ?」


「灯里さんはビッチじゃないよ。それに、処女性とか確かに大事かもしれないけど……色々な人と経験を積んだ女性も素敵だと思う」


 僕は言う。


「何て、また調子に乗り過ぎかな?」


「……ううん、すごく嬉しい。そんなこと言ってくれたの、あなたが初めてよ」


 灯里さんの瞳から、ぽろっと涙がこぼれる。


「灯里さん、過去を忘れてなんて言わない。けど、今は僕のことだけを見ていてよ」


「うん……うん。大好き……ッ」


 灯里さんは再び僕に抱き付き、キスをした。


「はっ、翔ちゃん……もっと絡めて……もっと、お姉さんを……灯里を愛して……」


 密着する度に、灯里さんの豊かな胸が触れて、興奮してしまう。


 ただそれ以上に、純粋な気持ちをぶつけてくれる灯里さんが可愛くて、愛おしくて。


「愛しているよ……灯里」


「ひゃッ……あぁん。よ、呼び捨て……大好きな年下の彼氏に呼び捨てされるとかぁ……」


 灯里さんがビクビクと痙攣する。


「……もしかして、もう?」


「あっ……ご、ごめんなさい」


「まだエッチもしていないのにね。灯里さんも、結構ピュアだよね?」


「や、やめて……これ以上、お姉さんをいじめないで……」


「もっといじめたいな、灯里のことを」


「だ、だから、呼び捨てだめぇ……頭がおかしくなっちゃう」


「もっとおかしくなって良いよ」


「しょ、翔ちゃん……好き……大好き」


「じゃあ……次は湯船の中でイチャつこうか」


「うん」


「あ、でも。灯里さんのおっぱいが大きすぎて狭いか」


「も、もう~、翔ちゃんのバカ♡」


 それから僕らは、お風呂の中でまた深く繋がった。


 心がね。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る